ストロングマン・コンテストという競技を知っていますか?
巨大なタイヤをひっくり返したり、トラックを引っ張ったり、ドラム缶を投げたりする力比べです。巨大な人たちが集まって、信じられないようなパワーを披露してくれます。
参照記事:人間の極限パワーに挑む「ストロングマン・コンテスト」
そのストロングマン・コンテスト世界大会で優勝歴があり、デッドリフト世界記録(500㎏!)も樹立したことがあるエディ・ホール選手の肉体が一般人とどのように異なるかを解剖学的に調べた研究(*1)が発表されました。
*1. Muscle and tendon morphology of a world strongman and deadlift champion
そんなの筋肉量がめちゃくちゃ多いに決まってるでしょ、と思うかもしれません。まさにその通りで、ホール選手の全身筋肉量は一般人の2倍以上あるということです。そこら辺は、わざわざ調べなくても、見たら分かりますよね。
しかし、それだけではありません。その筋肉がどこについているか、どの種類の筋肉が多いか、靱帯や腱との比率は、と掘り下げて分析していくと、興味深い事実が浮き彫りになりました。
- ホール選手の下半身を安定させる小さな筋肉群(スタビライザー)は一般人の2.5倍から3倍くらいある。大きな筋肉を鍛えるだけでは、重いモノを持ち上げて、それを保持することはできない。
- ール選手の大腿四頭筋は一般人の2倍あるのに対し、この筋肉につながる腱は30%しか大きくない。これは筋肉の成長が腱の成長を上回っていることを示唆しており、腱損傷のリスクが高まる可能性がある。
尋常ではないパワーは巨大な筋肉によって発揮されますが、外目に見えない部分も大切なようです。ただし、筋肉は鍛えられても、それを支える腱を鍛えることは難しいようです。
よく筋トレは故障予防のためにも提唱されますが、筋力を鍛えることは必ずしも故障リスクを減らすとは限りません。かつてプロゴルファーのジョン・デーリー選手がこんな発言をしました。
「筋肉は攣ることがあるけど、脂肪は攣らないよ」
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