2024/10/18

酒を飲むなら、その前に走れ。効果的な二日酔い対策とは日常の運動習慣である。 ー新研究の紹介

 













二日酔いによく効く飲み物や食べ物はよく話のタネになりますね。熱いシャワーを浴びるとか、水をがぶ飲みするとか、アルコールを体から追い出すための方法もよく語られます。

二日酔いにならないベストの方法はもちろん酒を飲まないことですが、それができれば苦労しないし、そもそもそんなことはしたくない。そんな人も多いでしょう。

最近、ある依存症関連の学術ジャーナルに発表された研究(*1)によると、日常的な運動習慣が二日酔いの症状を和らげるカギだということです。


*1.Physical activity as a moderator of the association between alcohol consumption and hangovers
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39216177/#full-view-affiliation-1


ヒューストン大学の心理学者らを中心とした研究チームは1,676人の大学生たちを対象に聞き取り調査をしました。抽出条件は一度でも二日酔いを経験したことがある、そして最低週に30分以上の運動をする習慣があることです。多分、条件に合致する学生を選ぶのは難しくなかったでしょう。

学生たちの飲酒パターン、二日酔いになる頻度と症状、それに運動の量と強度を分析した結果、二日酔いの症状と運動には強い関連があることが分かりました。

当たり前のことですが、飲酒量が多いほど、二日酔いをより頻繁に経験し、またその症状もひどくなります。しかし、ランニングなどの強度の強い運動をする習慣があればあるほど、二日酔いの症状が軽減されることが明らかになりました。

理由は様々に考えられます。

  • 運動はエンドルフィンの分泌を促す。エンドルフィンには痛みを和らげる効果がある。
  • 運動は睡眠の質を向上させる。睡眠は回復を促す。
  • 運動は体内代謝を良くする。それはアルコールの分解にも役立つ。
  • 運動は体内の炎症を抑える。炎症が抑えられると不快感が減る。

そのどれかが正しいのか、あるいはすべて正しいのかは私には分かりません。

しかし、この論文を素直に読めば、以下の結論を導くことができます。

スポーツマンでも酒を飲みすぎたら二日酔いにはなる。しかし、運動しない人に比べるとその症状は軽くなる

少なくとも私にとっては、きわめて都合の良い結論です。




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