2019/02/28

Open 19.2 日本語速報 - 注意点とせこいアドバイス

WORKOUT 19.2

Beginning on an 8-minute clock, complete as many reps as possible of:
  25 toes-to-bars
  50 double-unders
  15 squat cleans, 135 lb.

  25 toes-to-bars
  50 double-unders
  13 squat cleans, 185 lb.

If completed before 8 minutes, add 4 minutes to the clock and proceed to:
  25 toes-to-bars
  50 double-unders
  11 squat cleans, 225 lb.

If completed before 12 minutes, add 4 minutes to the clock and proceed to:
  25 toes-to-bars
  50 double-unders
  9 squat cleans, 275 lb.

If completed before 16 minutes, add 4 minutes to the clock and proceed to:
  25 toes-to-bars
  50 double-unders
  7 squat cleans, 315 lb.


Stop at 20 minutes.

さて19.2が発表されました。ほぼ16.2のリピートです。
T2B, 2重跳び、スクワット・クリーンの組み合わせですけど、ラウンドごとにクリーンの重量が段々重くなっていきます。
最初の2ラウンドの足切り時間が8分、それがこなせたら、3ラウンド目を12分以内、それではがこなせたら4ラウンド目が16分以内と、足切り時間が伸びていきます。
16.2では1ラウンド目の足切りが4分間でしたが、今回は全員が最低でも8分間の持ち時間があるということだけが違いです。


ややこしいかもしれませんが、大抵の人は2ラウンドを8分以内に終わらすことは出来ませんので、8分間のAMRAPだと考えていいと思います。3ラウンド目に入れる人はすごいアスリートですので、私のアドバイスなど不要です。

ワークアウト自体はクロスフィッターにはお馴染みですが、例によっていくつか注意点とアドバイスを挙げておきます。

注意点:
  • プレートの付け替えは他人がやってもいい。
  • 重さの違うバーベルを何本も用意しておいてもいい。
  • 足切り時間前(例:8分)に終わっても、待たずに次のラウンドに進んでもいい。

せこいアドバイス
  •  タイブレークは2重跳びが終わった時間なので、最初の2つ(T2Bと2重跳び)はなるべく速く終わらして、息を入れるならスクワット・クリーンの前にした方が有利です。多くの人が2ラウンド目のスクワットクリーンを前にしてスコアが止まり、同スコアで並びます。だからタイブレークの時間で順位は大きく変わります。

2019/02/21

Open 19.1 日本語速報 - 注意点とせこいアドバイス


WORKOUT 19.1
Complete as many rounds as
possible in 15 minutes of:
19 wall-ball shots
19-cal. row

さて19.1が発表されました。

シンプルですね。つまんないとは言いませんが、これは体の大きい人が圧倒的に有利なワークアウトです。今回はカンベンしてやるけど、もうこの2つはこれっきりにしろよと誰かカストロ君に言っといてください。

クロスフィッターならウォールボールもロウイングもやったことがない人はいないでしょうが、まだクロスフィットの経験が浅い人のために、念の為にいくつか注意点を挙げておきます。

  •     ウォールボール 1回ごとにスクワットをした状態(膝がお尻より下)から始めます。
  •     ボールを床に落としたときは、ボールが完全に床に静止させてからでないと次のレップに移れません。バウンドしている状態のボールを掴むのは反則です。
  •     ロウイングは1ラウンドごとに0カロリーにリセットして、19カロリーに達するまでマシンから離れてはいけません。19,38,47,,, みたいに連続して行うのは不可です。


せこいアドバイス
  •       休むならロウイングのときです。なぜならロウイングは疲れているときでも元気な時でも、さほどスピードに違いはありません。とりあえず動いてさえいれば、惰性でもカロリーの数値は進みます。ですが、ウォールボールは休んでいると、その間のレップ数は増えず、確実に時計は進みます。
  •      ロウイングのテクニックを急に上達させるのは無理ですが、ペダルの着脱をなるべく早くスムーズに行えるように事前に練習しましょう。それだけでロスタイムは短縮します。


2019/02/16

オープンワークアウト Retestのススメ


いよいよ2019年オープンが始まります。

私は飽きもせずに今年もエントリー済み。2012年から始めて今年で8年目です。
ゲームズ本選どころか年代別トップ200人にも遠く及ばない成績なのですが、それでも毎年少しづつ順位比率(percentile)が上がり(周りが齢で衰えているから?)、7年間x5週で合計35回のワークアウトを1回も逃したことがないのがささやかな誇りでもあります。

7年間と言えば、その頃生まれた赤ちゃんが小学校に入ります。それだけの長い間となれば、ケガをしたり、仕事で忙しかったり、私生活に問題が発生したり、あるいは単に飽きちゃったりしそうなものですが、幸いなことにそのどれも私にとっては決定的な障害にはなりませんでした。ヒマだという要素がかなり大きいですが。

さて、そんなことをあちこちで言ったり書いたりしているせいでしょうか、「今回初めてオープンに挑戦するのですが、何かアドバイスをしてくれませんか?」という質問が殺到しております、というのは嘘です。誰も聞いてくれません。だけど、それでもあえて勝手に誰が聞いてくれなくてもアドバイスをするとしたら、

「オープン・ワークアウトは2回(できればもっと)やりなさい」

と大書しておきます。

私だけがそう言っているのではありません。2011年と2012年にゲームズを連覇した偉大なチャンピオン、Annie Thorisdottirも下の記事で、オープン・ワークアウトは複数回やるべき(retest)と述べています。

なぜなら、99厘、同じワークアウトなら2回目の方がスコアが良くなります。仮にそうでなければ、2回目のスコアを提出しなければ良いだけのこと。失うものは何もありません。得るものは筋肉痛だけかもしれませんが。

1回目より2回目の方がテクニックが上達することもありますが、それより自分のペースが掴めるからという面が大きいと思います。過去のワークアウトのリピートを例外として、オープンワークアウトは誰もが初めて行います。最初に飛ばし過ぎてしまったり、あるいはその逆だったり、なかなか最適なペースでワークアウトを行うことは難しいものです。
どのようなワークアウトであれ、最初から最後までハイペースでこなせるのは一握りのトップアスリートだけ。普通の人は大なり小なり時間内に休まなくてはいけないのですが、その休むタイミングと長さがスコアを大きく左右します。その感覚を掴むには、1回ワークアウトをやってみるのが一番なのです。

後先考えずに全力で飛ばしてぶっ倒れる筆者。
こういう風になってはいけない

さらに人間、一度経験した物事には緊張感や恐怖感が減るものです。どんなにきついワークアウトであっても、1回やったことがあれば、自分がどんな状態になるかはわかります。すると自然に自分に合ったやり方が浮かび上がってきます。

「己を知り敵を知れば百戦危うからず」ってことですね。この場合の敵とはカストロ君やバーベルではなくって、ワークアウトの内容ってことですけど。

ワークアウトが発表される金曜朝から、スコア提出期限の火曜朝までの4日間。ボックスの営業時間やジャッジしてくれる人の都合など色々な制限があるでしょうけど、可能な限りワークアウトを試す機会を増やすべきです。ボックスオーナーの人には、この期間は出来るだけ多くその機会を作ってあげてほしい。それが何よりのメンバーへのサービスだと思います。

2019/02/09

クロスフィットと高齢化社会に関する一考察

クロスフィットの公式ホームページ(https://www.crossfit.com/ )が2019年度になってから大きく様変わりしました。それまでのアスリートのハードなトレーニングを中心とした内容から高齢者の医療や健康に関する分野へと大きくシフトしつつあります。

この路線変更に対しての反応は賛否様々ですが(感覚としては、私の周囲では「否」が「賛」を上回っている気がします)、私も高齢化社会とクロスフィットの関係について以前こんなエッセイを某所で書いていたことを思い出しました。よろしければご一読下さい。



スポーツジムと世代間の共生



クロスフィットという名のフィットネスジムでインストラクターの仕事に就いている。1クラスは1時間。人数は少ない時で1人、多い時は20人ぐらいになる。人数が少なくても多くても、あらかじめ決められたメニューをクラス全員で一斉に行うタイプのジムだ。

ジムには様々な年代の人がやってくる。クロスフィットはきついトレーニングで有名なので、20代、30代の若い世代が比較的多い。会員は平均して週に3,4回ぐらいの頻度で通ってくる。会員同士は何回か同じクラスで会っているうちに、互いに挨拶を交わす間柄になり、さらに親しい交流が始まることもある。

インストラクターとして最初の、そして最も大切な仕事は、やって来る会員11人の名前と顔を覚えて、全員に必ず11回は声をかけることだ。そうして会話を交わした会員が延べ何百人になるのか見当もつかない。だが、今でもよく覚えているのが76歳のある男性だ。仮にKさんとする。

76歳のKさんは勿論、ジムの中では飛びぬけて最年長だった。私の父が77歳なので、私にとってはちょうど自分の親の年代にあたる。もっと若い会員たちにとっては、Kさんはまさにおじいちゃんのような存在だっただろう。

Kさんは特に頑健でも健康なわけでもなく、年齢相応に体力が衰えていた。だからジムで行うトレーニング・メニューをそのままこなすことはとても出来なかった。そのためクラスの皆とは別のメニューを彼だけのために作成するのが常だった。

単純にインストラクターの仕事量で言えば、Kさんがクラスにいる時は彼がいない時よりはるかに手間がかかった。別メニューを作成するだけではなく、クラスが行われている間はずっとKさんが転んだり倒れたりしていないか常に注意を払っていたものだ。

普通、こういう人は健康のために運動をしようと思い立ったとしても、高齢者向けのクラブに入るか、11のパーソナル・トレーナーをつけることが多い。その方が教える方も教わる方も効率はいいだろう。

だが、Kさんにとっては、ジムの空間はトレーニングよりむしろ若い世代との交流が主な目的だったのではないかと思う。若い会員たちと談笑し、子供のような私の指示に真剣に耳を傾け(実際にKさんの長男は私より年上だった)、いつも楽しそうにジムにやってきた。

そうしているうちにトレーニング効果も少しづつではあるが現れてきた。以前はベンチに手をついて45度の角度でしか出来なかった腕立て伏せが補助なしで出来るようになり、膝を軽く曲げるハーフ・スクワットしか出来なかったのが、きちんとお尻を膝より低く下すフル・スクワットが出来るようになったのだ。

齢をとると誰でも筋力は衰える。同時に、適切なトレーニングを行えば、どんなに高齢であっても筋力を増やすことは可能である。加齢を止めることは出来ないが、それに伴う体力の低下を遅らせることも、向上させることさえ出来るのだ。私が学んだスポーツ生理学の教科書にはそう書いてある。常識とも言えるだろう。だが、理屈はそうでも、それを実際に行える高齢者は少ないし、私達がそれを目にする機会も多くはない。私はKさんを尊敬しているし、彼のインストラクターになれたことを幸運だったと思っている。

高齢化がますます進行する昨今、高齢者が運動する機会と場所を提供することは、これからの社会の大きな課題になっていくだろう。高齢者専用のトレーニング施設も増えるだろうし、高齢者を適切に指導できる専門のインストラクター育成も必要だ。

それと同時に、高齢者が高齢者だけのグループに固まるのではなく、あらゆる年齢層の人が集まって仲間になれる場所があっていいと思う。Kさんにとっての私達のジムががそうであったように。

トレーニングジムは単に体を鍛えるだけの場所ではなく、コミュニティとして機能できるものだと思っている。そして、そのコミュニティは排他的であってはいけないのだ。

Kさんはクラスを終えてジムから帰るとき、よく「コーチ、助けてくれてどうもありがとう」と私に言ってくれた。だけど助けていたのは私だけではない。Kさんもまたクラスの雰囲気を和らげ、インストラクターとして成長する機会を与えてくれることで、私を大いに助けてくれた。私とKさんは仲間であったし、他の会員もまた同じであったと思う。



福祉と呼ぶに値するかどうかはわからないが、私は私のジムを常にあらゆる世代のあらゆる人達に開かれた場所であり続けさせることが、私にできる社会への貢献だと思っている。