スクワットをするときはしっかりしゃがんで、お尻を膝と平行か、それより低い位置に落とすことを教わってきました。いわゆる「フル・スクワット」です。一方で膝を直角以下にしか曲げないで行う動作は「ハーフ・スクワット」と呼ばれます。
クロスフィットではフル・スクワットでないと「ノーレップ」として、回数にカウントさせません。
スクワットに限らず、あらゆる筋トレ種目で、可動域いっぱいで動作することが一般的には正しいフォームだとされます。そして、「正しいフォームで行わないと効果が出ませんよ」とはインストラクターの常套句です。
ところが、大腿四頭筋をデカくする、という目的に関しては、フル・スクワットでもハーフ・スクワットでもその効果にあまり大きな違いはないとする研究(*1)が発表されました。
*1. Knee flexion range of motion does not influence muscle hypertrophy of the quadriceps femoris during leg press training in resistance-trained individualsFor correspondence:
https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/502/1079
https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/502/1079
実験はスクワットではなく、レッグプレスのマシーンを使って行われました。
"Leg-press-2-1024x670" by Everkinetic is licensed under CC BY-SA 3.0.
方法は以下の通りです。
- 被験者は23人の筋トレ経験者
- レッグプレスは片足ずつ行う。
- 片足は可動域を100度以下、別の足は可動域いっぱい(154度)
- 週2回のワークアウト(1セット8~12回を限界まで)を8週間
結果はどちらの足も大腿四頭筋の筋肉量は2.2% ~ 7.3% の増加が認められました。そしてその増加率は両方の足に有意の差は生じませんでした。
つまり、レッグプレスは可動域いっぱいに動作してもしなくても、筋肥大効果に大した違いはないということになります。
この結果から、スクワットはフルじゃなくてもいいよ、と言い切ってしまうのは早計です。レッグプレスとスクワットは厳密には違う動作ですし、どちらも大腿四頭筋だけをターゲットにしているわけでもないからです。
少なくとも、ハーフ・スクワットはフル・スクワットに劣ると考えなくてもよいみたいです。ハーフ・スクワットはより重い重量を扱うこともできますし、腱や関節への負担も少ないかもしれません。
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