筋トレをするとモテるか? という話題は個人的な自慢かあるいは自虐に陥りがちです。あなたがモテるのは筋肉のおかげかもしれませんし、別の要因(顔立ち、ユーモアのセンス、おカネ、などなど)が大きいせいかもしれません。逆も然りです。
それでは、データの範囲を広げて、筋トレをする人はモテる全体的な傾向があるか否か? についてワシントン州立大学の研究者たちが調べた論文(*1)が発表されました。
*1. Strength, mating success, and immune and nutritional costs in a population sample of US women and men: A registered report
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1090513824001235?via%3Dihub
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1090513824001235?via%3Dihub
他にもっと研究するべきことはあるんじゃない? とは思いますが、研究者たちは真剣なようです。論文が掲載された学術誌のタイトルは「人類の進化と行動学ジャーナル」(Evolution and Human Behavior)。人類学の研究であって、ジムやサプリメント会社の宣伝ではありません。
研究方法は以下の通りです。
- 2013~2014年にかけて、米国に在住する4,316人のデータを解析
- 筋力の強さは握力で評価
- モテるかどうかは一生で獲得するセックス・パートナーの数で評価
結果として以下の事実が判明しました。
筋力が強い男性と女性はどちらもセックス・パートナーの数が多くなる。
一般的に、筋肉質の男性はそうでない同性よりもモテるようなイメージはありますし、だからこそ若い男の子たちは筋トレに励むわけですが、実は女性にもそのセオリーは通用するらしいのです。筋トレをする女性は(も)、モテるのです。
何しろ人類学の研究ですので、論文著者たちは上の理由を進化論に求めようとします。従来の「男性は狩猟をするので、女性は力の強い男性を好む」だけではなく、「女性は子育てをするので、男性も子どもを何人も抱っこできる女性を好む」かもしれないのだそうです。
まあ分からなくはありませんが、ちょっとその論旨展開は無理があるのではないだろうかと個人的には思います。筋トレをするー>活動的になるー>出会いが増える という図式の方が現代事情にマッチしているのではないか。浅学菲才な私はそう愚考します。
誤解のないように書いておきますが、私が何十年も筋トレを続けているのはモテたいからではありません。肉体的な苦痛を乗り越えることによって、魂を磨いているのです。
モテたいためのロックンローラー
あなた動機が不純なんだわ
山口百恵『ロックンロール・ウィドウ』より
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