2013/12/24

クロスフィットと格闘技

Crossfit Endurance でご紹介したように、クロスフィットのボックスには他競技のパフォーマンスを上げるためにクロスフィットをやる、という人が一定数います。その中でも格闘技選手は目立ちます。今流行の総合格闘技選手、キックボクサー、他にも空手や柔術などの選手で専門の道場以外のトレーニングの場としてクロスフィットに通う人達です。かく言う私も実はクロスフィットを始めたきっかけは空手の補強トレーニングにするつもりでした。
言うまでもないことですが、ある競技で強くなるにはその競技の練習をするのが一番です。それを大前提としたうえで、クロスフィットは格闘技選手の補強にはもってこいのトレーニング法だと私は思います。

スタミナ
スタミナと聞くと多くの人はマラソンなど長時間の有酸素運動を思い浮かべますが、格闘技の試合に必要なスタミナとは何時間もゆっくり動くものではなく、比較的短時間のインターバルを繰り返すためのものです。例えばボクシングは3分ラウンド、1分休みの繰り返しですね。空手の試合に出るなら、マラソンではなく、中距離のインターバル走がいい、とは昔からよく言われていて、私もよく800m走を5本とかやったものです。しかし、格闘技の試合は中距離走でもありません。一定のペースで走るわけでも、一方向に進むだけでもありません。一ラウンドの中でも、激しく動いたり、少し休んだり、急に動いたりします。 そのような種類のスタミナを養うには、クロスフィットのWODのように異なった種目を組み合わせて、しかも数分単位で全力をつぎ込むやり方は最適だと言えます。

パワー
格闘技とウェイトトレーニングは昔から切り離せません。重い重量を挙げて筋肉量を増やし、「体を大きくする」のは当たり前にように行われてきました。勿論、パワーアップは重要です。私がやっていたフルコン空手では、筋肉の鎧をつけて打たれ強くなる、ということも大切でした。
ですが、格闘技の試合ではゆっくり重いものを持ち上げても仕方ありません。また、ある筋肉だけに「効かせる」ための単関節の運動は、本来の格闘技の動きとは異なるものです。手打ちのパンチはダメだ、とよく言うのに、ベンチプレスで寝たままバーベルを上下させる運動ばっかりやってる選手がいるのは不思議です。
パンチでもキックでもあるいは投げ技でも、格闘技の技で必要とされるパワーは瞬間的に全身の力を1点に集中させるような体の動きから生み出されます。クロスフィットで重視されるオリンピックリフティングは、まさにそのような動きを体に覚え込ませるのに向いています。

スピード
スピードと言って多くの人が思い浮かべるのは100メートル走などの短距離走でしょう。トレーニングに短距離ダッシュを取り入れる格闘技選手は多いです。しかしながら、ここでも格闘技の試合で必要とされるスピードはそれとは違う種類のものです。瞬時に体の方向を変える、あるいはパワーを込めた打撃を出す、そんなスピードを養うには、短距離ダッシュよりもオリンピックリフティング、あるいはバーピーではないでしょうか。

バランス・身体コントロール
一般の人には意外かもしれませんが、格闘技にはバランス感覚がきわめて重要な要素になります。選手なら誰でも身に沁みているのではないでしょうか。組技系はまさに相手のバランスを崩す競技ですし、打撃系でもバランスの良い選手は技のキレが違います。そのために、バランスボールに乗ったりする選手は多いです。それも有効なトレーニング方法ではあります。クロスフィットで行う逆立ち歩行やキッピング懸垂、あるいはマッスルアップなどの体操系トレーニングは、そうした能力を高めることに大きな効果があります。元々、極真空手では昇段審査に逆立ち歩行があったと聞いたことがあります。

体幹トレーニング
格闘技に限らず、体幹は重要だ、というのが流行りのようになっていて、色々な体幹トレーニングがもてはやされています。しかし、体幹の強い選手が必ずしもそうした体幹トレーニングをやっているわけではなさそうです。強い選手は始めから体幹が強いか、あるいは体幹が強くなるような動きをしている、と考えたほうが良さそうです。クロスフィットでは、バーベルを持ち上げる、縄跳びをする、鉄棒で懸垂する、などといった一見は体幹とは関係なさそうな動きでも、意識すべきなのは体幹だと繰り返し教えられます。そうして知らず知らずのうちに体幹が強くなります。

格闘技選手よクロスフィットに来たれ!

2013/11/08

クロスフィット専用シューズ

クロスフィットって月謝は高いけど、道具におカネがかかりません。
テニスやら野球をやったら、ラケットやグローブなどを揃えなくてはいけませんし、
空手や柔道をやろうと思ったら、胴衣やプロテクター等が必要です。

その点、私はクロスフィットを始めて2年になりますが、
クロスフィットをやるために買ったものが一つもありません。

いつものTシャツ、短パンに普段履いているジョギングシューズを持っていくだけ。
かって自己流でウェイトトレーニングをしていたときは、ベンチプレスのときに手袋、スクワットのときに腰ベルトをしていましたが、クロスフィットのボックスでは誰もそんなのしていません。
自然、私も素手でバーベルを握り、ベルトもしなくなりました。

ボックスに所属している限り、クロスフィットってそれぐらい自分の体以外に何もいらないスポーツです。
人によっては、自分用の縄跳びを持ってくる人がいるぐらいでしょうか。
私はとくに拘りがないのでボックスの備え付けのものを使っています。

ただ、足元だけは例外です。
オリンピック・リフティングをするときはそれ専用の靴が勧められます。
すねまでカバーする長い靴下を履いている人も多いです。

私はそこまですることないだろうと思って、ずっとジョギングシューズでやってきましたが、
そろそろ買ってみるかと思い立ち、ついにクロスフィット専用と謳うシューズをリーボックから購入しました。と言うより、私が知る限りはクロスフィット用の靴などと言うものはリーボック以外ありません。

Reebok Crossfit Nano 3.0

http://shop.reebok.com/us/product/men-reebok-crossfit-nano-3.0-shoes/ER680?cid=V53238&breadcrumb=1z13070Z1z11zrf&search=nano+3.0&cm_vc=STATIC_SHOP_SEARCH

リフトのときなど踵に体重が乗ってなかなか良い感じです。 でもその代わりイマイチ走りにくい気がします。走るときはフォアフットって意識しているせいかもしれません。 ボタン一つで重心が前後に移動する、なんて機能つきシューズを開発してくれないものでしょうか。



2013/08/14

RX or Scaled

クロスフィッターならタイトルを見て、このタイトルの意味するところを瞬時に理解して頂けると思います。あるいは、「わかった、わかった。その話はもう聞き飽きたよ」と読むのを止めてしまうかもしれません。
それぐらい、このRX or Scaled と言うのはクロスフィッターにとって永遠の話題と呼んでも過言ではないのです。

RX とは規定の動作や重さや回数のことです。(以前に詳しく書いた記事
Scaled はその人それぞれの体格や体力、あるいは習熟度によって、別の動作にしたり、重量を軽くしたり、回数を減らしたりすることです。

今日、私がボックスでやったワークアウトが格好の例なのですが、
本日のお題はベンチマークの"Elizabeth" でした。

クリーンとリングディップを交互に21-15-9、そのタイムを競うものです。
クリーンの重量は男性61kg、女性43kgで、これがRXです。

さて、私の場合、61kgと言うのは挙がらない重さではありませんが、21回続けてやれと言われるとかなり困難です。そこでコーチの勧めに従い、女性用の43kgでやることにしました。つまりScalingです。
リングディップは私は問題ありません。出来ない人(けっこういます)は補助バンドをつけたり、代わりに腕立て伏せをしたりします。

こうして、皆それぞれが各自の設定をして、よ~いどんで始めてタイムを競います。

私はこの重さなら最後までイーブンペースで続けることが出来ました。
結果、その日のボックスで一番のタイムでした。

ですが、果たして、それでよかったのか?
RXに挑戦した人がフラフラになって、それでも最後まで頑張って、終わった後に床に倒れこんでゼイゼイ言っているのを見て、そう強く感じました。

一方の私は、疲れたと言えば疲れましたが、なんとか自分の足で歩く余裕があります。
それじゃあ、今日のワークアウトでより大きな効果を得られたのはどちらなんだろう?

重すぎて挙がらないのなら仕方ありませんが、フォームが崩れるとか続けて出来ないとかの理由で、安易にScalingするのは、何処かで自分を甘やかしているのではないかという気持ちがどうしても拭えませんでした。

そんなわけで、クラスが終わった後、もう一回ひとりで、今度はRXでやってみました。
タイムは倍近くかかりましたが、気分は爽快、体はボロボロ。周りは呆れて見ていました。

競技選手ではない私にとって、トレーニングの目的は自己満足なので、これで良いのです。
そう開き直ることにします。
もちろん、目的は人それぞれですし、ケガをする可能性もありますし、フィットネス効果が上がるかどうかもわかりませんので、やみくもにRXでやるべきだとは言いません。



2013/05/07

Crossfit Endurance - クロスフィットでマラソンを走る?


クロスフィットをやる理由は人によって様々です。
ダイエットのためという人もいますし、クロスフィットの競技そのものに挑みたいという人もいます。
その他、格闘技選手やフットボール選手など、クロスフィットのトレーニングを通じて、専門とするスポーツのパフォーマンスを上げることを目的とする人もかなりの数だけいます。
そのような人たちのニーズに応えるため、Crossfit Striking, Crossfit Footballなどの名前を冠した派生プログラムがあります。

このCrossfit Endurance http://www.crossfitendurance.com もその一つと言えるでしょう。
マラソンやトライアスロンなどの持久力系スポーツにクロスフィットのトレーニングを取り入れようとする考えです。

マラソンなどの長距離レースでは、以前はLSD - Long Slow Distanceを呼ばれる長い時間をかけてゆっくり走るトレーニングが主流でした。長い距離のレースを走るんだったら、練習も長い距離を走るんだって、至極当たり前というか疑問の余地すらなかったと思います。市民ランナーでもフルマラソンを走るなら月間トータルで200キロとか300キロとか走らないとダメなんてよく聞いたものです。高橋尚子選手が月1000キロ以上走った、なんて話まで聞いたことがあります。毎日30キロ走っても追いつかないのだから、凄まじいとしか言いようがありません。

Crossfit Enduranceではそれに対して、走るのは週2、3回にとどめて、残りの日をクロスフィットのトレーニングをすることを奨めています。走る日も長距離だけでなく、短・中距離のインターバル走を多くします。持久力を高めるためであっても、高い負荷をかけたインターバル系の運動がよりパフォーマンスを上げる効果がある、という考えです。

私自身はクロスフィットを始める前にも自己流でフルマラソンを走っていました。トレーニングはジョギングをやるだけで、レース前はその頻度や距離を普段より増やすぐらいが対策でした。フルマラソンのベストが4時間をようやく切る程度でしたから、それほど大して速くも遅くもない、ごくごく普通の市民ランナーです。

クロスフィットを始めてから、折角だから、ぐらいの気持ちでCrossfit Enduranceのやり方に変えてみました。とは言っても、本格的にCrossfit Endurance専用のメニューをやったわけではなく、単に毎日走るのをやめて、クロスフィットのボックスに通っただけですが。
1日走ったら、次の日はクロスフィット。
たまに朝走って夕方クロスフィットって日もあるので、両方とも週3、4回程度です。

このやり方を始めて半年後ぐらいのフルマラソンで自己記録を20分ほど短縮する約3時間半で走れました。これには自分自身もかなり驚き、それ以来このやり方を続けています。
毎日のように違うことをするので飽きがこないし、何より故障を全くしなくなりました。ひたすら走る練習だと、どうしても同じ箇所ばかりに負担がかかるのだと思います。一方でクロスフィットのトレーニングは全身を満遍なく鍛えられますし、知らず知らずに筋肉のバランスもよくなるのだと思います。そのせいでしょうか、以前はレースの後でひどい筋肉痛になったものですが、今ではフルマラソンを完走した翌日も殆ど普段と変わらなく活動できます。

このようにCrossfit Enduranceの考えは少なくとも私には有効でした。格別にタイムがよくなったわけではありませんが、走る距離は以前の半分、トータルでトレーニングに使う時間も半分ぐらいです。ランナーの皆さんにも是非お奨めしたいと思います。

2013/04/04

実体験WOD #14: FT 50 Front Squat + EMOM 3 DL & 3 PowerClean

まるで暗号のようなタイトルですが、これでピン!ときた方にはクロスフィットおたく検定1級を差し上げます。これ以上読む必要はございません。

なんのこっちゃいと言う普通の方は続きを読んでください。

For Time: 
Weight taken from ground
50 front squats @ 135/95
Top of every minute, 3 deadlifts, 3 powercleans


ある日のWODにこう書いてありました。
皆目わかりません。
コーチの説明を2、3回聞き直して、やっと理解しました。

要するにフロントスクワットを50回、出来るだけ速く(FT: For Time)やるわけです。
だけど、1分ごとに(EMOM: Every Minute On Minute)、 デッドリフトとパワークリーンを3回づつ挟まなくてはいけません。
バーベルの重量は男性約60キロ、女性約43キロです。

ヨーイドンでスタート。
床においたバーベルでデッドリフトを3回、パワークリーンを3回。
胸の前に担いだバーベルをそのままでフロントスクワットに移ります。
開始から1分たったところで、またデッドリフトを3回、パワークリーンを3回。
それが終わったらまたフロントスクワットに戻って、2分経過したらまたデッドリフトとパワークリーンが待っています。
これをフロントスクワットの合計回数が50回になるまで繰り返して、その合計タイムを競う、というものです。

やってみればわかりますが、これはキツイです。
久しぶりにトレーニング中に吐き気がしました。終わった後は酸欠で頭が痛くなりました。

これは弱ければ弱いほど、回数を多くこなさなくてはいけません。
終了する(解放される)時間も長くなります。
まるでイジメとか可愛がりのようです。

私は3分58秒で全レップ終了でしたが、あと2~3秒遅かったら、さらにデッドリフトとパワークリーンを3回づつやらなくてはいけないところでした。

私のコーチのオリジナルなのか、他のボックスでもやっていることなのかはわかりませんが、
まあよくもこんなキツイこと考えつくもんです。
是非、お試しあれ。



2013/03/29

空手家がクロスフィットでやってしまう6つの間違い


1)コーチの指示に「押忍!」で答える。 あなたは礼儀正しくしているつもりでも、コーチが理解してくれるとは限りません。ボックスの入退室時に十字を切って挨拶するのは、まあいいです。

2)レップごとに「セイッ」とか「イヤー」とか気合を入れる。 周りの人の迷惑になります。

3)バーベルを床に落として「残心」のポーズを取る。 バーベルは反撃してきませんので心配要りません。

4)脛を鍛えると称してバーベルをコツコツ蹴る。 バーベルはそんなことのために作られてはいません。

5)スクワットをするときに「騎馬立ち」になる。 それではハムストリングスは正しく鍛えられません。

6)手の丈夫さを過信する。 いくら拳ダコが出来ていても、手の平の皮は一般人と同じようにむけます。

2013/03/21

WOD13.3 がキライな4つの理由





WOD13.3 が発表されました。 なんと昨年の12.4と全く同じです。

12分間で何レップ出来るか

150 Wall balls: 約9キロのメディシンボールを壁にある約3メートル以上の線まで投げて、それを150回。
90 Double-unders: 縄跳び2重跳び90回
30 Muscle-ups: マッスルアップ30回


発表されると同時に、いつものように賛否両論がネット上をかけまわったわけですが、
私、管理人はこのWOD13.3はキライです。
以下に理由を述べます。

1. 昨年と同じ内容を繰り返すのはつまらなく、創造性に欠ける。

クロスフィットの魅力は同じ内容のトレーニングを繰り返さないこと、常に新しい刺激に満ちていることです。ベンチマークなどのWODで自己の成長を測ることはありますが、それを何も20ドルの参加費を払ってオープン予選でやる必要は全くありません。

2. Wall Ballはフィットネス能力を測るには不適当である。

最初のWall Ballは同じ重さのボールを同じ高さに投げるわけですから、当然体の大きい人に有利です。

例えば身長190センチ体重100キロのキヨハラ君は自分の体重の10分の1以下の重さのボールを自分の手から約50センチほど上に投げ上げるだけです。
それに対して、身長160センチ体重58キロのイケメン、カクタニ君は体重の約6分の1の重さのボールを約1メートルほど投げ上げなくてはいけません。

これを同じ回数繰り返して、どうしてキヨハラ君とカクタニ君のフィットネス度を比較できるのでしょう?

落下してくるボールを受け止めるときも、背の低いカクタニ君ははるかに加速度がついたボールの重力を毎回受け止めなくてはなりません。その負担はキヨハラ君よりはるかに重くなります。

バーピーの時は自分の腕を伸ばしたところから15センチ上って規定にしているのだから、なぜ同じようにターゲットの高さを調節しないのか。はなはだ不公平と言わざるをえません。

さらに、こんなことは言及したくありませんが、この種目は不正を行いやすいです。
なぜならメディシン・ボールは重さが違っても大きさや形状が同じに見えるからです。
要するに、14パウンドのボールを使っても、それを規定の20パウンドだよって言い張るのは簡単なのです。
ビデオを提出したところで、重さまではわかりません。
ターゲットの高さだって、10センチや20センチ低くしてもわからないでしょう。
ただでさえ前回のWOD13.2 で不正が発覚したばかりで、オープン予選の公平性に疑問を持つ人が多いなか、このような種目を選ぶことはとても不用意だと思います。


3.2重跳び、マッスルアップの実力を反映できない。

キヨハラ君はひざに故障を抱えていて2重跳びは一回も出来ません。
イケメンのカクタニ君は縄跳びを得意としていて、2重跳び90回なら一度も失敗せずに1分以内で終わらせることが出来ます。

それなのに、キヨハラ君のスコアはWall Ballが終わった時点で150、カクタニ君はWall Balを126回目でギブアップ。キヨハラ君の方がカクタニ君よりフィットネス度が高いということになります。そんなバカなことがありますか?

4.ワークアウトの順番を変えるだけで順位が逆転する。

もし2重跳びをWall Ballの先にやったらどうなるか?
キヨハラ君のスコアはゼロ、カクタニ君のスコアは2重跳び90+Wall Ball126で計216です。
同じワークアウトの組み合わせでありながら、どちらを先にするかどうかでスコアが逆転する。
これで正しくフィットネス度を測れるわけがありません。

注:上のキヨハラ君とカクタニ君はあくまでフィクションです。実在の人物とは特徴、体格とも関係ありません。


少しばかり筆がすべった感がありますが、私としてはクロスフィット・ゲームの発展を祈り、クロスフィットを愛する全てのアスリートに公平な機会が与えられるため、よりパブリックな視点から建設的な提言を試みました、というのは大嘘で、すべては個人的なウラミとヒガミです。


昨年度12.4 の体験記はこちら










2013/03/20

過去のクロスフィット・ゲーム競技種目にみる傾向と対策

「予測不可能な未知的状況下に対応」するというクロスフィットの意義からは大きく外れますが、話半分のシャレとして面白い記事を紹介します。(といってもこのブログの殆どが話半分のシャレなんですが。)

名づけて、過去のクロスフィット・ゲーム競技種目にみる傾向と対策。

原文はこちらです


2011年と2012年のクロスフィット・ゲームの競技種目をデータ化し、様々な角度から解析したものです。
いくらクロスフィットが同じ内容のトレーニングをしないことをモットーとしていても、
設備や場所などの物理的な制限や判定の難易度から、おのずと競技に使える種目や時間は限られてきます。

特にオープン予選に限って、出現頻度が多い種目は以下の通り。




オープン予選で最も多く使われるトップ5は、スナッチ、バーピー、スラスター、懸垂、縄跳び2重跳び。

WOD13.1, 13.2 で既にスナッチとバービーはやりましたので、13.3以降に来る可能性が高いのは残りの3つということになります。

重量に関しても、オープンでは比較的軽め、地域別ではやや重くなり、決勝では重量よりむしろ自重の動きの比重が高くなる傾向があるそうです。
確かに、決勝では走ったり泳いだりソフトボールを投げたりとかしますから、一目瞭然と言えばその通りなんですが。

同ブログ最新記事によるWOD13.3 の予想(発表2日前)は以下の通り。

AMRAP 7 of 10 overhead squats (115/75), 10 chest-to-bar pull-ups


はたして的中するでしょうか?

2013/03/19

オープン予選の競技性、公平性について

現在進行中のクロスフィット・ゲーム2013オープン予選の意義を根底から危うくさせるニュースが飛び込んできました。


まずは経緯から。
  • CrossFit Grover Beachというボックスに所属するJosh Golden という選手がWOD13.2 で387という驚異的なスコアを提出した。その時点で全世界トップ。
  • この様子を撮影したビデオがYoutube に投稿され、それを見た人達からJosh Goldenの動きがルールに即していない、という意見が主にネット、ソーシャルメディアに殺到。
  • ゲーム本部の判断で、同選手のスコアは無効になり、本年度オープン予選からは失格。
  • 同時にボックス(CrossFit Grover Beach)も本年度オープン予選のスコアを認定する資格を失効。同ボックスの他の選手は次回以降は別のボックスで参加するか、自分でビデオを提出することを求められる。
公式発表はこちらです。

問題の動画を見ると、ボックスジャンプでは体を直立させていないし、プレスではバーベルをしっかり両肩まで下ろしていません。
確かに、このような動きはゲーム本部が発表した基準に合致していません。
それをスコアとして認めない、認めた審判にペナルティを科す、ゲーム本部の判断は正しいと思います。

ですが、それだけでいいのか? 今回のケースは氷山の一角であり、そもそもオープン予選のやり方に問題はないのか? そんな疑問が沸きます。

ご存知の通り、オープン予選のスコアを提出するには2つの方法があります。
1.ゲーム本部から認定されたボックスで競技を行い、そのスコアをボックスが認定する。
2.競技者本人が任意の場所で競技を行い、それを撮影したビデオを本部に提出する。

もちろん、1のボックスでやる人が圧倒的多数です。
動画の撮影もしなくてよいし、そもそも競技に必要な様々な設備を個人で用意するのは大変ですので。

今回の選手も所属するボックスで競技を行いましたが、ビデオを本部に提出したわけではありません。
たまたまか故意かはわかりませんが、本部ホームページではなく、Youtubeに投稿された動画が元で、今回の件が明るみになりました。

もしYoutubeに投稿されていなかったら、同選手のスコアはそのまま認定され、トップに立っていたはずです。
投稿されていたとしても、全世界10万人以上の参加者でトップになるようなスコアでなかったら、そのビデオも注目を集めなかったでしょう。私がこのブログにアップした動画を見て、判定をしようなんて思う人はいないように。

そうしますと、現在のオープン予選のやり方は競技としてみてどうなのか?
競技である以上、判定の公平性は何よりも優先されるべきですが、そのところはいわば性善説に基づいた極めてあやふやなものになっています。

多くの参加者はボックスに月謝を払っています。
ボックスにとってはお客様です。
お客様のスコアをボックス経営者が認定するわけですので、そこに何かしらの情実(同情、機嫌取り、など)が発生するのはむしろ自然のなりゆきとも言えます。

今回の本部の決定は一罰百戒を期待しての措置なのかもしれませんが、クロスフィット・ゲームをイベントではなく競技としてとらえるなら、もっと踏み込んだ抜本的な改革が必要でしょう。

私、管理人は以下のような制度変更を提言します。

  • 複数のボックスが一箇所に集まり、スコアの判定は選手と所属先が異なるボックスのジャッジが行う、 あるいは
  • 全ボックスに動画撮影を義務付け、本部が抜き打ち検査をする、各部門のトップ20スコアは本部がビデオで再審査をする
急激に拡大した、だけど歴史の浅い競技です。
今回明らかになった問題を個人のモラルの問題に留めず、より良い方向に進めていってほしいと思います。



2013/03/07

クロスフィットゲーム オープンWOD 13.1

クロスフィット・ゲームのオープン予選が始まりました。
第1週目のWODはこれ。


バーピーとスナッチの繰り返し。
今年はその混合と言えます。

私としては問題は2回目のスナッチ135パウンド(約61キロ)です。
なにしろ私のスナッチの自己最高記録は130パウンド。
昨年は一回も挙げれませんでした。
今年ははたして火事場の馬鹿力が出るのか。

結果はご覧の通りです。
全部で17分ですが、この動画は約3分にまとめたショートバージョンです。ご心配なく。



それでも、そんな動画なんて面倒くさくて見れるか、と言う方には、
今年も結局135パウンドのスナッチが出来ませんでしたとお伝えしておきます。

ただ、今年からルールが改訂され、Tie Breaker (タイブレーク)なるものが導入されました。
回数が同じなら、最後のスナッチをやった時点の時間で順位をつけるというものです。

つまり、私のスコアは40バービー+30スナッチ(1回目)+30バーピーの計100レップです。最後に成功したスナッチを終えた時点で5分50秒が経過していました。
回数が同じく100レップの人はたくさんいるでしょうが、その中ではこの経過時間で順位をつけるそうです。

私の場合、これなら少しは昨年より順位が上がるかもしれません。
それでも、せめてあと1回でもスナッチ挙げたかったな。






2013/02/04

クロスフィット・ゲーム 2013

クロスフィット・ゲーム2013のオープン参加登録が始まりました。
既に登録された方、燃えている方も多いかと思いますが、
最近になってこのブログを読み始めて、「クロスフィット・ゲーム? 何それ?」って方もいるかと思います。いないかもしれませんが、いるってことにして下さい。

そのような方に、以下の過去ポストを紹介します。

まずはクロスフィット・ゲームって何?って方には

CrossFit Games-クロスフィット最大の世界大会

私、管理人は昨年度のオープン予選に参加しました。
当時はクロスフィットを始めて数ヶ月。
クロスフィットの何たるかも、そのレベルの高さも知りませんでした。
別にアスリートというわけでもなく、単に子供の頃から体育の成績だけはよかったというだけで、
俺だったら上位に入れるぜ、って臆面もなく思い込んでいたことは恥ずかしい思い出です。

そんなオープン参加の体験記はこれです。
感動も興奮もしませんが、フツーの人がオープンに参加するとどうなるの?って意味ではイメージがわくと思います。



その他、クロスフィット・ゲームについての考察(ってほどのものではなく、個人的な意見)をいくつかポストしました。



さて、上のリンクを全部読んでくれたヒマな方はいるでしょうか?
それだけ時間があるのなら、是非とも今年のクロスフィットゲーム、オープン参加してみてください。
筋肉痛のほかは得るものはないかもしれません。
だけど失うものも何もありません(参加費の20ドルは除く)

2013/01/23

ボックス移籍


ボックス(クロスフィットではジムのことをそう呼びます)を移籍しました。

今までいたボックスのことは何回かここでも紹介してきましたが、本格的というか体育会系というか、とにかくイケイケの雰囲気で大好きでした。



 ただ1点、場所が少し家と職場から離れていたのが難点でした。
クロスフィットのクラスは時間が決まっていますので、通いやすさは重要なポイントです。
私は大して忙しいわけではありませんが、それでも仕事やら家庭の用事やらで、なかなか思うように通うことが出来ませんでした。

今度のボックスは職場から数キロぐらい。車で3分もかかりません。
朝、昼、晩とクラスがありますので、出勤前、昼休み、仕事帰り、どれでも好きな時間を選ぶことが出来ます。
昼休みにアップをかねて走っていき、クラスを受けて、クールダウンにまた走って職場に戻る、なんてことまで出来そうです。

ボックスのホームページはこれです。

前のボックスと設備はあまり変わりません。やはり倉庫街にあり、広いスペースに鉄棒やロープやバーベルなど最低限の器具が並んでいます。トイレはあるけどシャワーも更衣室もありません。全体的に少し前よりキレイかなって程度です。

インストラクターの物腰はマイルドでしたが、話を聞くとやはり軍隊経験者でした。
ベンチマークや重量挙げマックスのトップ5がボードに書き出されていますが、それを見るとなかなかメンバーのレベルも高そうです。
Fran で4分切る人が5人いる、ベンチプレスで135キロ以上挙げる人も5人いる、ってその意味がわかる人にはわかりますよね。
今日は会えませんでしたが、昨年のクロスフィットゲームでマスター部門のファイナルまで進んだ人もいるそうです。

クロスフィットのボックスは初回時にまず入会希望者の体力を見るために簡単なメニューをやらせます。今回のボックスではBaselineと呼んでいました。

ローイング500メートル
スクワット40回
ケトルベル・スイング(24キロ)30回
腕立て伏せ20回
懸垂10回

これがメニューで、出来るだけ早くやるように言われ、タイムを計ります。
私も一応クロスフィット経験者ですので、これぐらいはウォーミングアップ程度でとくに問題はありませんが、あまり運動経験がない人には充分きつい内容かもしれません。

こうして現時点での体力を見ると同時に入会の理由や目標も聞かれます。

クロスフィットをやる理由は人それぞれ違うでしょうが、私が2013年に掲げた目標ははっきりしています。
野球の一流選手とされる打率3割、30本ホームラン、30盗塁のように、
名づけて3-30-300

·        マラソンで時間を切る(自己ベストは3時間半)
·        逆立ち歩きで30メートル(最長は10メートルぐらい)
·        スクワットで300パウンド(約135キロ)を挙げる(現在は245パウンド)

ついでにバック転を出来るようになること、Franで4分を切ることも目標です。

出来たからと言って、一つ一つは大したことありません。
競技選手のレベルではなく、一般人としては悪くない程度です。
だけど、これを全部出来る人はめったにいないのではと思います。

インストラクターにも受けました。ここでトレーニングすれば出来るようになるよと言ってくれました。世の中に色々なジムがありますが、これら全てをカバーできるのはクロスフィットだけですよね。

2013/01/11

クロスフィットがフィットネスとどう違うか (その2)


以前、クロスフィットがフィットネスジムとどう違うかについての記事を書きました。

それと似た内容の記事を見つけましたので翻訳します。ソースはCrossFit Montconというボックスらしいですが、私が所属するボックスのフェイスブックページに転載されていました。それをさらに転載します。

そりゃ極端だろおと思う表現は多々ありますが、うんうんと頷く部分もあります。


<角谷訳>

フィットネスジムはバックにCNNかケリークラークソンをテレビで流している。
クロスフィットボックスではトレーニング仲間があなたの最後の1レップを応援する。

フィットネスジムではカーディオマシーンがあなたのペースが速すぎると言ってくれる。
クロスフィットボックスではコーチがあなたにもっと速くしろと言ってくれる。

フィットネスジムには鏡がある。
クロスフィットボックスではコーチがあなたのフォームを直してくれる。

フィットネスジムにはバイセップカールやケーブルクロスオーバーがある
クロスフィットボックスではスクワットとかデッドリフトのような実用的なメニューをやる。

フィットネスジムは会員権を売り、出来れば会員は月に1回しか来ないでほしいと思っている。
クロスフィットボックスはあなたが可能な限り何回でも来て人生を変えてほしいと思っている。

フィットネスジムでは20分間のトレーニングを2時間かけてやる。
クロスフィットボックスでは2時間分のトレーニングを20分でやる。

フィットネスジムのフロントでは機械があなたの会員カードを読み取る。
クロスフィットボックスは知識のあるコーチがあなたのどんな質問にも答えてくれる。

フィットネスジムはルックスのためにトレーニングする。
クロスフィットボックスでは人生のためにトレーニングする。


<原文>

CrossFit Montcon does a perfect job of summarizing the differences between a regular gym and a CrossFit gym:

Them vs. Us

THEY have CNN or Kelly Clarkson playing in the background.
WE have other members cheering you on to finish your last rep.

THEY have cardio machines that tell you you’re going too fast.
WE have trainers that are telling you you’re not going fast enough.

THEY have mirrors.
WE have trainers that tell you how to correct your form.

THEY have biceps curls and cable crossover machines.
WE have squats and deadlifts that you’ll actually be able to transfer into real life.

THEY sell you a membership and hope you only come for one month.
WE want you to come as often as possible to help change your life.

THEY have a 20 minute workout in 2 hours.
WE have a 2 hour workout in 20 minutes.

THEY have a machine at the front desk where you swipe your card.
WE have knowledgeable trainers that are ready to give you all the fitness information that you ask for.

THEY train for looks.
WE train for life.