クロスフィットで床に倒れ込むくらいきついワークアウトやったときの消費カロリーが、同じくらいの時間だけ軽くジョグしたときの半分くらいだったって、Fitbitがそう言ってる。それってちょっとおかしくない? という疑問から書いた記事です。
Fitbit Charge 5は筋トレとインターバルトレーニングを正確に計測可能か? ジムでの検証結果を紹介
アメリカ在住、あるCrossFitジムに通う管理人が日本語で語る私的クロスフィット体験記と考察です。冗談度70%、真剣度30%、だけど挙げる数字や情報にウソはありません。
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クロスフィットで床に倒れ込むくらいきついワークアウトやったときの消費カロリーが、同じくらいの時間だけ軽くジョグしたときの半分くらいだったって、Fitbitがそう言ってる。それってちょっとおかしくない? という疑問から書いた記事です。
Fitbit Charge 5は筋トレとインターバルトレーニングを正確に計測可能か? ジムでの検証結果を紹介
タイトルを見て意外に思う人もあるいはいるかもしれません。
実は長いこと、クロスフィットというものをやったことがありませんでした。
公式ボックスで皆と一緒にワークアウトをするという意味では、2年振りくらいになるはずです。
それには社会的な背景と個人的な理由があります。
社会的な背景とは、言うまでもありませんが新型コロナウイルス感染拡大です。
2020年の3月にここ南カリフォルニアではほとんどの屋内商業施設が閉鎖となり、クロスフィットのボックスももちろんそれに含まれました。
私はそれまでは指導員としてあるボックスに所属していましたが、ボックスそのものが閉鎖されたとあっては、どうすることもできません。
そのボックスはその後再開しましたが、規模を以前よりはるかに縮小して、オーナーの家族経営のような形になりました。自然、外部指導員の私には仕事は回ってきません。
私自身の個人的な理由としては、クロスフィット以外の仕事が忙しくなり、また楽しくもあったので、あえてクロスフィット指導員に戻ろうとする意欲がなくなっていたことがあります。
思えば、2011年末にクロスフィットを始めて10年が過ぎ、正直に言って、情熱の目盛りがいくらか下がっていました。
クロスフィットって何もかも素晴らしい! とまるで恋愛初期のようなワクワクした気持ちはなくなり、倦怠期のような時期に差し掛かっていたのかもしれません。
そんなわけで、クロスフィットからはしばらく足が遠のいていた私ですが、つい最近、とあるボックスに入会しました。指導員としてではなく、あくまでも1会員としての復帰です。
長いブランクはありましたが、その間に何もしていなかったわけではありません。
ウルトラマラソンも走りましたし、ウェイトトレーニングも続けていました。自前のリングを買ってマッスルアップの技術練習もしましたし、逆立ち歩きの自己最長記録を更新したりもしてました。マーフみたいに公園でできるWODを1人でやることもありました。
ただ、それら多種多様のエクササイズをまとめて一気にやる、いわゆるMetconみたいなワークアウトとは随分ご無沙汰でした。
復帰初日のワークアウトは以下の通り。
4 rounds of:
[3 Minute AMRAP 1 min rest]
1 rep of power snatch at 155 lb [RX+ 185]
2 reps of ring muscle-up
3 reps of strict handstand push-up
[1 minute Rest between AMRAP's]
スナッチもマッスルアップも逆立ち腕立て伏せもちゃんと練習していました。
だから何とか1,2ラウンドは順調にこなすことはできました。
でもでも、これを一度にやるときついっすね。
見ての通り、上半身を苛めるタイプのWODですので、後半ラウンドは腕がパンパンに張って、全然あきませんでした。
でもすごく楽しかったな。これからしばらくは初心に帰って、クロスフィットを楽しもうと思っています。
連日オリンピック関連のニュースが洪水のように流れる中、下のニュースが目に留まりました。
元記事を読むと分かりますが、新型コロナウイルスの検査で陽性となったオランダ代表選手らがホテルに隔離され、その環境があまりにも劣悪だからと、オランダのオリンピック委員会がIOCに提訴したというニュースです。
以下、引用します。
陽性となった選手は「数日間にわたり新鮮な空気を吸えず閉じ込められていた」と説明。部屋を出られるのは食事を受け取るときのみで、食事の献立は「毎日同じ」だという。
私はオランダ選手団とも日本オリンピック委員会とも何の利害関係もありません。それでもこの記事を読んで他人事のように感じられなかったのは、自分自身も「新型コロナウイルスに対する検疫処置としてのホテルでの隔離生活」を体験しているからです。
2020年の6月、そして2021年の6月、私は米国から日本に帰国しました。検疫体制が厳しくなっていることは百も承知でしたが、私は私なりに「不要不急」ではない、やむを得ない理由があったのです。その理由は100%個人的なもので、本稿の本筋でもありませんので割愛します。
あるいはオリンピック選手が隔離されているホテルと、帰国者の私が隔離されたホテルでは、状況は異なるかもしれません。しかし、細かい違いはあるにせよ、どうやら似たり寄ったりなのではないかとも思います。
とりあえず、私が自分の身で体験した様子は以下の通りです。長文ですが、お付き合い下さると幸いです。
1回目のホテル隔離:2020年6月
1回目の帰国はもう1年以上前になります。コロナ禍年表みたいなものがあるとすれば、第1波が収まりかけてきた時期にあたります。
このときは成田空港で入国ブースに入る前にPCR検査を受けました。鼻の穴に細い綿棒を突っ込む、あの大変に不快な検査です。
この頃はPCR検査の結果が出るまでに数日かかるということで、結果が出るまでは政府指定のホテルに隔離されます、という話でした。
そこまでは事前に聞いて、納得はしていました。空港からビニールシートで目張りされた、まるで犯人護送車のようなバスに乗せられて、我々帰国者が連れて行かれたのは空港から遠くない某ビジネスホテルでした。政府が建物すべてを借り上げ、検疫隔離される人たちをそこに収容していたのでした。
ビジネスホテルですので、とにかく狭いです。ベッドの他には隙間しかありません。デスクらしきものはついていますが、ラップトップコンピューターがはみ出してしまうくらいの冗談みたいなものです。もちろん窓も開きません。その他にままごとセットのようなユニットバスがついています。
私は日本人としても小柄ですので、この狭さでも何とか不自由なく生きていけることはできます。しかし、大柄な人は便器に座ったら膝がドアにぶつかってしまうのではないか、と想像してしまいます。
何はともあれ、この部屋に3日間、陰性結果が出るまで待機したわけですが、それは滞在と言うよりは、むしろ「監禁」とか「拘禁」に近いものでした。
とにかく、部屋から一歩も出れないのです。1日3回の食事は運んでくれますが、そのときはドアのノブに弁当を入れたビニール袋がぶら下がっていることを「館内放送」で知らされ、それを受け取るときだけしかドアを開けることは許されません。
隔離期間中、飲酒は一切できません。ホテルの施設案内によれば、廊下には自動販売機コーナーもあるし、1階にはコンビニもあります。しかし、そこに行くことは許されません。何しろ部屋から一歩も出れないわけですので。好きなビールやおつまみを買って、部屋に戻る、なんてことはもっての外です。
そして食事。これはちょっと大変です。毎日3食、お仕着せの弁当がドアの外に運ばれてくる。それを食べるしかありません。
私にはアレルギーは特にありませんし、宗教的な禁忌もありません。ここ数年は流行りの糖質制限食を食べていますが、お米やパンが食べられないというわけでもありません。元々は日本人ですので、日本のお弁当を食べることには抵抗もありません。しかし、外国人にはさぞつらいことではないでしょうか。
せめて、自分が好きなものを食べたいし、飲むものは自分で選びたい。それだけのことがこの隔離生活では許されないのです。
上はある日の弁当、下は別の日の弁当です。よく見ると、内容が違うことは分かります。だけど、日本食に慣れていない人の目には、同じようなものだと映ったとしても無理はないかもしれません。
紙パックのお茶に注目して下さい。私は日本人でありながら、緑茶というものはあまり好みません。食後にはコーヒーの方が好みです。しかしそれを望むのは無理だと分かっていました。せめてお茶の代わりにただの水を飲みたいと思い、ホテルのフロントに電話しました。
「済みませんが、次の食事の時から、お茶の代わりにお水のペットボトルを持ってきてくれませんか?」
「申し訳ありませんが、規則でそれはできません。メニューは変えられないのです」
「お水を頼めないのですか?」
「お部屋の水道は飲料水ですので、そちらをお飲みください」
部屋の水道とは、つまりユニットバスの洗面台についている蛇口のことです。便器のすぐ横についています。
そりゃまあ、日本の水道は清潔だと、私は知っています。しかし、やはり抵抗はありました。若いスポーツ選手などは、生まれてからずっと、水と言えばペットボトルから飲むものだと思ってはいないでしょうか。
私は幸い、PCR検査の結果は陰性でしたので、この隔離生活は3日で済みました。もし陽性結果が出ていれば、あと10日以上は続いていたはずで、もしそうなっていたらと想像するだけで恐ろしいです。
2回目のホテル隔離:2021年6月
こんな隔離生活も2回目となれば、もはや驚くことはありません。このときは成田空港ではなく、羽田空港に到着する便で帰国したため、連れて行かれたホテルは横浜のずいぶん眺めの良い場所にありました。しかし、隔離生活そのものは前回と同じです。
ホテルの窓からこんな景色を眺めながら、部屋に籠りっぱなしで3食差し入れられた弁当を食べる日々を想像してください。
私は既に経験済みでしたので、今回は耐えきれないとまでは思いませんでした。人はどんなことにも慣れるものなのでしょう。
ただ、腹立たしく思ったのは、私はこのとき既にワクチン接種済みであったし、日本に来る前には10回以上のPCR検査を受けて、そのすべてで陰性だったのです。
日本入国のルールも前年に比べると一層厳格化されていました。まず帰国便に搭乗する前72時間に受けたPCR検査の陰性証明書が求められ、かつ日本に到着した際には空港で抗原検査の結果が出るまで待機させられ、その上ホテルで3日隔離された後にもう1回PCR検査を受けさせられ、そこで陰性となったら初めて釈放されます。しかしそれでも残り11日間は自宅などで待機して、公共の交通機関は利用しないように、と「宣誓書」を厚生労働省あてに提出させられます。
そんなん、自己申告でしょって思うでしょうが(実は私もそう思っていました)、帰国後14日間は所在通知アプリでの報告を義務づけられ、さらには毎日のようにビデオ通話がかかってきて、自分の顔と背景を見せるように言われるのです。
そんな犯罪者のような追跡を当局から受けるわけですが、私が今回やったことは単に母国に帰国しただけです。新型コロナウイルスに感染している可能性はゼロではなかったでしょうが、日本在住の日本人と比べて、さほど高かったとは到底思えません。と言うより、10回以上検査を受けて、またファイザー社ワクチンの2回目接種を終えてから3か月以上は経っていました。その時点では平均的な日本人よりずっと感染の可能性は低かったと思います。
しかし、日本のお役人というのは(どの国のお役人も同じようなものかもしれませんが)、そういった個別の事情は一切考慮してくれないのでした。
東京都がオリンピックを招致したときは「おもてなし」を世界にアピールしました。果たして、その約束は守られているのでしょうか?
『The New Yorker』は米国ですごく有名な、そして権威がある雑誌です。村上春樹さんも最初にこの雑誌に短編が掲載されたことで米国でも有名になり、ひいては世界的に有名になりました。
そこに掲載されたこの記事のタイトルはズバリ。「クロスフィットに未来はあるか?」
https://www.newyorker.com/sports/sporting-scene/does-crossfit-have-a-future
クロスフィットの創成期から昨年のCEO交代劇までの歴史を綴った大作です。例によって、勝手に翻訳したいところではありますが、とにかく長い。紙にしたら4,5ページはあるんじゃないかな。ちょっと無理です。
Glassman’s number was two hundred million dollars. He would keep the company’s two corporate planes, and he made it clear that there would be no negotiating.
Kindle版: https://www.amazon.co.jp/dp/B0976N49S6/
はじめに
筋トレを(も?)やってみようという人は多いですが、その目的は様々です。ある人は健康のため、ある人はダイエットのため、ある人は夏に向けてかっこいいボディーを作り上げるため、ある人は専門とするスポーツの補強運動として、1人1人が別々の理由から筋トレに取り組んでみようと思い立ちます。
それぞれの目的について筋トレは効果があるか? という命題については多くの研究がされてきました。ある研究は筋トレに○○の効果はあるとし、別の研究はそれを否定し、結論は必ずしも1つではありません。
どの結論を選ぶのもあなた次第です。その是非を問うのは本書の目的ではありませんし、私の手に負いかねる問題です。
それでも、何はともあれ、「自分も筋トレを(も?)やってみよう」と思い立った人は、あるいは専門分野ではベテランかもしれませんが、筋トレに関しては知識があまりないかもしれません。
本書はそんな人に「これだけ知っておけば大丈夫」、「だけど今さら人に聞けない」、そんな筋トレに関する基礎知識を分かりやすく説明したものです。
目次
筋トレ101 その1:フリーウエイトとトレーニングマシンのどちらを選ぶ?
筋トレ101 その2:ベンチプレスとチェストプレスはどう違う?
筋トレ101 その3:「筋トレビッグ3」はなぜビッグ?
筋トレ101 その4:筋トレはメンタルにも効く?
筋トレ101 その5:究極の腕立て伏せ — Impossible Push-Up とは?
筋トレ101 その6:自重筋トレでのメリットとは?
筋トレ101 その7:プランクで体幹を鍛えると、どんな良いことがある?
筋トレ 101 その8:超回復と分割法とは?
筋トレ101 その9:単関節運動か、複合関節運動か?
筋トレ101 その10:ダンベルを持つなら片腕か両腕か?
筋トレ101 その11:ダンベルで何が鍛えられる?
筋トレ101 その12:ダンベルを買うならどうやって選ぶ?
筋トレ101 その13:速く走るにはスクワットよりヒップスラスト?
同じものがNoteにも300円ぽっきりであります。
6月1日、フロリダ州知事がトランスジェンダーのアスリートの女性スポーツ競技参加を禁ずる法案に署名しました(https://www.newsweek.com/florida-becomes-seventh-state-ban-transgender-athletes-girls-sports-desantis-signs-bill-1596535)。正確には、州内の教育機関が主宰するスポーツ競技の女性部門に参加するには、出生時には性別学的に女性であったという証明(出生証明書やパスポートの提示)が求められます。
同様の法律はアラバマ、アーカンソー、アイダホ、ミシシッピ、テネシー、そしてウェスト・バージニアの州にも存在し、フロリダ州は全米でも7つ目のトランスジェンダーの女性スポーツ参加を禁止する州になりました。
背景には生物学的には男性であるか、あるいはかつてそうだったアスリートが女性のスポーツ競技で優位になる事例が相次いだことがあります。最近ではコネクティカット州高校陸上競技大会で女子短距離系種目の1,2位をトランスジェンダーが独占したことが話題になりました(https://apnews.com/article/ct-state-wire-north-america-gender-identity-connecticut-sports-dcbca5cf940548628dba351f6c91bcd9)。
政治的な背景も見逃せません。上に挙げた7州はすべて共和党の支持基盤であり、保守的な土地柄で知られています。民主党優位のいわゆる「リベラル」な州は、LGBTQへの人道的配慮を求める声が強く、このような法律が成立する余地は現在のところありません。
しかし、今回のフロリダ州での法案を支持した層は男女平等と公平をその理由に挙げています。生物学的に男女には体力差があることは明白ですので、スポーツの世界でトランスジェンダーが優位に立つことは、女性がスポーツに参加する権利を迫害するものだ、という主張です。実際のところ、高校生アスリートが大学のスポーツ奨学金を得るためには公式大会での実績が欠かせません。上記のコネクティカット州の大会3位以下に入賞した女子選手はそうした機会を不当に奪われた、と感じたとしても不思議ではありません。
クロスフィットは2019年のクロスフィットゲームズからトランスジェンダーの競技参加を認めています(https://www.them.us/story/crossfit-games-trans-policy)。
現在のところ、クロスフィット競技の女性部門でトランスジェンダーが活躍した事例はあまり聞いたことがありません。しかし、今後はそのようなケースが起きる可能性は大いにあります。ただでさえ、オリンピック・リフティングなどのパワー系種目では男女差が大きいことは言うまでもないからです。
あなたが表彰台を狙うレベルの女子選手だったとして、3人のトランスジェンダーが自分の上位にいたらどう感じるか?
クロスフィット・オープンで次のラウンドにもう少しで進めるレベルだったとして、自分の上位に生物学的には男性のアスリートがいたらどう感じるか?
今どき、LGBTへの差別意識を持っている人は少ないでしょうし、もし偏見を持っていたとしても、少なくともそれを表に出す人はさらに少ないでしょう。
しかし、自分が不利になっても、他人の存在を尊重することができるか? 我々が問われているのはそこだと思います。
クロスフィットのボックスには冷暖房設備がない所が多いです。
ボックスの多くは倉庫やガレージを改造したものなので、猛暑のときもせいぜい業務用扇風機が回っているだけって所が多いです。
大手フィットネスチェーンに比べて劣悪な環境だと思いきや、実はクソ暑いところでワークアウトするのは心肺能力の向上に役立つって新事実を最新研究が明らかにしました。
これから梅雨入り、夏本番と高温多湿での過酷なワークアウトが待っていますが、実は高地トレーニングを安上がりでやっているようなものだと思えば、モチベーションも上がるのではないでしょうか。
そんな記事を『スポーティー』に書きました。是非ご一読ください。
アスリートの暑さ対策。高温多湿での競技が避けられない場合の準備
力石徹がサウナのように暖房を効かせたジムでトレーニングしていたのは、あるいは最悪の減量方法だったかもしれませんが、実はスタミナアップには効果があったのかもしれないってことです。
面白いと思ったので、 勝手に翻訳しました。
写真だけは私のオリジナルですけど。
元記事:https://www.boxrox.com/crossfit-addict-signs/
1)その辺にあるモノを使って逆立ちや懸垂をやってしまう
2)クロスフィットに関する文字入り画像(meme)をSNSに投稿したことがある
3)休息日は何か落ち着かない
4)明日のWODをチェックするために何度もボックスのウェブサイトをチェックして夜更かししたことがある
5)手の皮がむけた写真をフェイスブックでシェアしたことがある
6)「ウォールボール」って言葉を見ると一日中憂鬱だ
7)ボックスジャンプでぶつけた脛の痣、縄跳びがあたって赤くなった足首、鉄棒でできた手の平のタコを秘かに誇りに思っている
8)箒を見るとスナッチやクリーンを試したくなる
9)一時間ボックスにいる間にシューズを2,3足履き換える
10)フェイスブックのプロフィール画像に汗、チョーク、バーベル、吊り輪、もしくは唸った顔のどれかが含まれている
11)ここぞと言うときにはシャツを脱ぐ
12)頭文字でモノを考える。例:明日の WODはOHSとHSPUとGHDが入ったAMRAPだ
13)車を運転するとき、無意識のうちにハンドルをフックグリップで握ってしまう
14)家族や友人を片っ端からクロスフィットに誘い込もうとする
15)すべてのストレスはWODで解消する
16)石器時代の人は現代人より優れた食生活をしていたと信じている
17)WODの翌日に筋肉痛にならないと、どこかでズルをしたのではないかと気になる
18)摂取する水分の多くはシェーカーから飲む
19)職場の同僚にスクワットやバーピーの正しいフォームを解説したことがある
20)配偶者はクロスフィット仲間であることが望ましい
カリフォルニア州を始めとして、全米で10の州と1つの地域では娯楽用の大麻(マリファナ)が合法化されています。そのような州では、マリファナの主成分の1つである、カンナビジオール(Cannabinoid,「CBD」と略されることが多い)が入った食べ物や飲み物を扱う店をよく見かけるようになりました。
それを後押しするように、CBDの摂取が精神的なリラクゼーションを与えるだけではなく、筋肉の炎症を軽減する、スポーツへのモチベーションを高める、競技パフォーマンスを高める効果もあるというような調査結果も次々と発表されています。
その一方で、米国でも連邦レベルではマリファナは未だに違法ですし、現在のところ医療目的以外でCBDを合法的に入手できない州の方が多数です。世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は2018年1月に条件付きでCBDを禁止薬物リストから外しました。このように過渡期にあると思われるCBDの利用については様々な誤解や混乱が生じています。
ヘンプ・オイルと呼ばれる製品。食べ物や飲み物に垂らして摂取する。
CBDは万能サプリメントか?
もともとマリファナが合法化されてきたのは医療目的が最初でした。CBDに以下のような医学的効果があることは多くの学術調査によって証明されています。
つい最近のことですが、CBDを摂取するとエクササイズのモチベーションが上がり、さらには運動中のパフォーマンスを上げ、回復も早まるという驚くべき調査結果をコロラド大学ボルダー校の研究グループが発表しました(*1)。
この調査では娯楽用のマリファナが合法化された5つの州から600人以上の男女を対象に様々な聞き取り調査を行いました。その結果、80%以上の人がエクササイズの前後にマリファナを摂取し、さらにそのうちの70%の人がエクササイズがより楽しくなったと答え、78%が回復が早まり、52%がモチベーションが上がったことを自覚しているとしています。
CBD イコール マリファナか?
こうした効能だけを見るとまるで魔法の薬のようですが、日本を含め世界中の殆どの地域でマリファナが違法薬物とされてきたのは、CBD以外の主成分であるテトラヒドロカンナビノール(Tetrahydrocannabinol,「THC」と略される)に酩酊作用があり、人を陶酔状態にするからです。
大ざっぱに分類すれば、マリファナには主な有効成分にCBDとTHCがあり、CBDに医学的効果、THCに麻薬的作用があるということです。
CBD とTHCの比率はマリファナの種類によって異なりますが、一般的にはCBD比率が高いものは医薬品に近く、THC比率が高いものほど違法薬物のイメージに近づきます。
ヘンプ(hemp)と呼ばれる植物はマリファナと同じアサ科ですが、CBD含有率が高く、THCの含有率が低い(ゼロではない)ので、CBD製品によく使われています。
CBDは合法か?
それならマリファナやヘンプからCBDだけを抽出して、THCを除けば、何の問題もないような気がしますし、実際に米国の多くの州で「THCを含まない医療大麻は合法」としています。
ところが、元々はCBD もTHCもアサ科の自然植物に含まれている成分です。技術的に完全に分離することは難しいのか、あるいは分離してしまうと売れなくなるからなのか、その理由はよくわかりませんが、CBD製品として売られているものの多くには実はTHCも含まれています。ノンアルコールビールには1%以下のアルコールが含まれていますし、デカフェ・コーヒーにも少量のカフェインが含まれていることと事情は多少似ているかもしれません。
THCが含まれている製品でも娯楽用マリファナが合法である米国の1部の州やカナダでは問題ありません。しかし、それをマリファナを禁じている他の州や国に持っていけば、薬物法違反になってしまいます。勿論、日本もその1つです。周知の通り、日本でのマリファナ所持や輸入は懲役を含む重罪となりますので、細心の注意が必要です。
CBD摂取はドーピングか?
前述しましたように世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は2018年1月にCBDを禁止薬物リストから外しました(*2)。その為、オリンピックを目指すアスリートもCBDを摂取してよいことになりました。
但し、THCは依然として禁止薬物に指定されています。WADAは製品のTHC比率が0.3%以下でなければけないとしています。
ところが、CBD製品の多くはTHCの含有量をラベルに表示していませんし、また表示してあったとしても必ずしもその数字が正しいとは限りません。100%CBDだと思って信じて摂取したら、ドーピング検査でTHCが検出された、なんてことになれば、有無を言わさずに違反となってしまいます。
CBD製品を試すには?
このように微妙な法律上の問題があるためだと思われますが、ネットショップ最大手のアマゾンではCBD製品を取り扱っていません。フェイスブックやグーグルでもCBD製品の広告は禁止されています。
マリファナが合法化されているカリフォルニア州でも、例えばスーパーマーケットの棚にCBD製品やマリファナ・タバコが並んでいるというわけではありません。
CBD製品を購入するにはDispenser
と呼ばれる専門店に足を運ぶのが一般的な方法です。飲み物や食べ物に含まれていたり、オイルや塗り薬などCBD製品には様々な形態があります。棚から商品を自由に手に取れることはあまりなく、化粧品のように対面販売が多いようです。
下のペットボトル水が5米ドル程度(約550円)、4個入りのガム状のサプリメントが10米ドル程度(約1100円)です。これを高いと思うか安いと思うかはその人次第ですが、筆者自身は日常的に使用したいとは思いません。これでもオリンピックを目指しているので、ドーピング違反の危険を冒したくないからです、というのは勿論嘘です。単純にそれほどのお金を払う価値があるとは思えませんし、元々ストレスとは無縁のお気楽な生活を送っていて、たっぷり睡眠も取れていますので、とくにCBDを必要とはしていないからでもあります。
CBD入りドリンク
CBD入り睡眠サプリメント
INFORMATION
*1:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2019.00099/full
*2:https://www.usada.org/2018-prohibited-list-summary-of-major-changes/
バーベルを用いるスクワットと言えば、一般的にはバーベルを背中側で担ぐバックスクワットの方がよく知られているでしょう。でも身体の前でバーベルを担ぐフロント・スクワットもメリットはたくさんあります。
僕はクロスフィットを始めるまで、フロント・スクワットは一度もやったことはありませんでした。
そのフロント・スクワットについて詳しく解説した記事が掲載されました。
https://melos.media/training/74692/
コロナワクチン2回目の接種を受けてきました。
前回の反応は上腕部に少し張りが出た程度だったと報告しました。
一般的に2回目の方が、身体にダメージがあると言われています。中にはコロナに感染したときのような症状(発熱、吐き気など)が出る人もいると聞いています。
しかし、私自身の場合に限ると、1回目も2回目もほぼ同じような反応しかありませんでした。
ワクチン接種を受けたのは午後1時半。その2時間後には指導するクロスカントリー走部のランナーと10キロほど走りましたし、翌朝は自分でやはり10キロほどジョギングをしました。
特に疲れやすいとか呼吸が苦しいなんてことはありませんでした。
ただ、前回同様、注射を打った方の腕に張りを感じています。痛みがあるわけではなく、違和感があると言った方がよいでしょう。
そのため、翌日に予定していたベンチプレスやショルダープレスなどの筋トレは取りやめました。やれと言われたらできたでしょうが、あえて無理をする理由もありませんでした。
その代わり、これも指導する野球部の練習で、外野手相手のノックで200球ぐらいはバットを振りました。あくまでノックですので、フルスイングというわけではありませんが、それでも野球のバットを200回振るってのは、けっこう大変な運動量です。よく分からなければ、試しに素振りでやってみてください。
それでも腕は何ともありませんでした。これでバッティングピッチャーで200球投げろと言われたら困ったかもしれません。つまり、その程度のダメージです。普通に生活する分にはまったく支障はありません。
ワクチンを打った当日も翌日もスポーツはできる。ただし、ある程度の制限はつく。
私のケースではそうなります。もちろん、そうではない人もたくさんおられるでしょうが、あくまでたくさんあるケースの1つとして、一足先の体験をシェアします。って万が一のための言い訳は前回もしました。
4年前の秋、仕事を辞めた。コンサルティング会社で11年、メーカーのIT部門で14年、大学を卒業してから合計25年間の間、IT関連のサラリーマンが僕の職業だった。就職して最初の3年は日本にいたが、その後はずっとアメリカで働いてきた。
退職は必ずしも自分から望んだタイミングではなかった。特に好きな仕事ではなかったが、さほどきつくもなく、収入も生活も安定していた。あのまま定年まで同じ職場で働き続けていたとしても、特に不満はなかっただろうと思う。
だが世の中はそれほど甘くない。会社のリストラクチャリングによって、僕がいた部署そのものがアメリカから撤退してしまうことになったのだ。それだけなら世間ではありふれた話だし、自分が特に不運だとも不幸だとも思わない。それでもいざ我が身に降りかかってくると、これはこれで人生の一大事には違いない。
会社都合の退職ということで、割増した退職金が支給されることになった。次の就職先を探すために半年ほどの猶予も与えられた。だが、何故か、別の会社でまたサラリーマンをやろうという気持ちになれなかった。
僕はずっとスポーツが趣味だった。趣味と呼ぶにはいささかのめり込んでいたかもしれない。その頃は週5日はクロスフィットというフィットネス・ジムに通っていた。だから、サラリーマンを辞めたら、好きなことでメシを食う、クロスフィットのコーチになる、と周囲に言っていた。
退職の日が近づいてきても、次の予定は何も決まってはいなかった。一応、コーチの資格は取得していた。だが、僕がその頃通っていたジムではコーチの口は塞がっていたし、どこか別のジムで雇ってもらうという話も全くなかった。とりあえずフリーの身になったら、久しぶりに日本を1か月ぐらいかけて旅行しよう、ついでに100キロマラソンというものを走ってみようぐらいのことしか考えていなかった。と言うか、それ以外のことを考えるのが億劫だった。
ある程度の蓄えはあったし、家のローンも終わっている。とりあえず生活の心配はないし、今の世の中だから飢え死はしない、何とかなるだろうとは思ってはいたけど、身も蓋もなく偽らざる心境を述べるとしたら、半ばヤケクソで開き直っていただけだった。
そんな退職の日、職場に最後の挨拶をしに顔を出したその足で、クロスフィットのジムに行った。何もそんな日にまでトレーニングをしなくてもよさそうなものだが、どうしてもその日はジムに行きたい理由があった。
全くの偶然なのだけど、僕が退職するその日は、ジムで親しくしていた友達が母国のエジプトに帰国する日でもあったのだ。友達の名前はモハメッド。僕らはモーと呼んでいた。モーは穏やかで絵にかいたようないい奴だった。いつもはにかんだような笑顔を浮かべて、彼が怒った顔を見たことがない。
だが、敬虔なイスラム教徒であったモーにとって、当時のアメリカは住みやすい場所ではなくなってきていた。イスラム国のテロが頻発し、ドナルド・トランプがイスラム教圏の国からのアメリカ入国規制を主張し、大統領選で支持を伸ばしていたのがその頃だ。エジプトは入国規制対象の国ではない。だが、日々反イスラムの雰囲気が高まる中、モーや彼の家族にはつらい出来事、不快な出来事が多かったのだろう。モーは長年住んでいたアメリカを離れ、家族を連れてエジプトに帰国する決断をした。
モーはその夜の便で帰国するという日の昼休みにジムにやってきて、最後にお別れのワークアウトをするというのだ。たかが仕事を辞めるだけの僕がそれに付き合わないわけにはいかないではないか。
そんなわけで、その日僕も彼もそれぞれに穏やかなる心境を抱えてジムに行ったわけだけど、そこでは思いもよらぬドラマが待っていた。
その日の出来事をジムのコーチが長文の記事を書いて、ジムのウェブサイトで紹介してくれた。2年後の今読んでみても、これ以上にあの日の僕を描写した文章は他にない。
だからあえて自分の言葉で語らず、彼女の文章を翻訳して、紹介したい。アレックスと言うのが僕のことだ。なぜ日本人の僕がそんな名前で呼ばれているかについては長くなるので触れない。
――
今日の昼のクラスで信じられないような出来事が起きました。
モハメッド(モー)・カーターがエジプトに帰国します。毎日のようにジムに来て上達を見せていた彼を見送るのは寂しいことです。
さらに4年以上に渡ってジムの一員であり続けたアレックス・カクタニが人生の節目を迎える日でもありました。彼は14年間務めた会社をこの日辞め、来月には100キロマラソンを走るために日本へ出発することになっていたのです。
モーとアレックスが共に特別な日を迎えたこの日、「サヨナラ」を言うために2人が昼のクラスにやってきました。
2人をよく知らない人のために、簡単な説明をします。2人ともスピードと持久力に優れたアスリートです。2人とも小柄で、体格の割にはパワーも備えていますが、ジムの仲間は何よりも2人のスピードと集中力に敬意を払ってきました。
この日のワークアウトはそんな2人に相応しい内容でした。時間制限35分間内に、下に挙げた動作を1ラウンドとし、任意の順番で行い、合計のスコアを競うものだったのです。
· 200メートル走(12ポイント)
· 120回縄跳び(10ポイント)
· 30回ケトルベル・スイング(10ポイント)
· 20回ボックス・ステップアップ(10ポイント)
· 10カロリー・ロウイング(10ポイント)
· 10回バーピー(10ポイント)
アレックスの戦略は全ての動作を順番通りこなすものでした。一方、モーの戦略は得意のランを出来るだけ生かすものでした。
ところが、既定の35分を終了すると、2人のスコアは全くの同点でした。
ジムの仲間はタイブレークとして2人に30秒間の固定自転車でもさせてみたらどうだと笑いました。アレックスとモーの2人もそうでした。
ところが、どちらからともなく、もう1ラウンドやってみて、決着をつけようじゃないかという案が出ました。最初は全くの冗談のようでしたが、どちらかが「俺はやってもいいよ」と呟き、もう一方が合意したことで、この延長ラウンドが実現することになったのです。
ジム内の全員が見守る中、2人の延長ラウンドが行われました。最後の10回バーピーが終了した時、両者の差は僅かに3秒しか違いませんでした。
モーを見送り、アレックスの門出を祝うのに、これ以上の場面は想像することすら出来ません。2人のトレーニングに取り組む姿勢、生き方はジムのメンバー全員を勇気づけてくれます。私を含めた全員がこの日の出来事をけっして忘れることはないでしょう。
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これがこの日僕らに起きた出来事だ。クロスフィットというものをよく知らない人のために説明すると、クロスフィットのジムでは毎日違うワークアウトのメニューを指定される。そしてその内容はその日ジムに行くまでわからない。指定されたワークアウトを制限時間内に何回こなせるか、あるいは指定された回数をどれだけ速くこなせるか、そのどちらかをジムに来たメンバー全員で競う。いわば毎日ジムの中で運動会をやっているようなものだ。
この日の制限時間は35分。モーと同点だったスコアが何回だったかは覚えていないし、それは重要なことではない。だが、クロスフィットをやってる人ならわかるだろうけど、これだけの量のワークアウトをこなして、2人のスコアが同点になるというのは非常に稀だ。奇跡と言えば大げさだが、単なる偶然と片付けるにはドラマチックに過ぎる。少なくとも僕らはそう思った。
そのドラマがよりによって、この日の僕ら2人に起きたことでジムは沸いた。とは言っても、その時ジムにはせいぜい10人ぐらいしかいなかったのだけど。
それでも皆が大声で僕ら2人だけを応援してくれると、まるで大観衆の声援を受けている気がした。延長ラウンドでは僕もモーも必死だった。体中の筋肉がきしみ、心臓が飛び出しそうだった。決して大げさではなく、このままぶっ倒れてもいいと思った。そして僕は勝った。ほんの僅かの差ではあったけど、あれほど嬉しかったことも記憶にない。
モーは多分、彼の神様に感謝を捧げていたのだろう。僕は彼と違って、祈る神様を持たない。それでも目には見えない何者かが僕らを祝福し、励ましてくれているような気はした。クロスフィットの神様? そうかもしれない。
俺は持ってる。そう感じた。元々楽天的な性格ではあったと思うけど、この日の出来事はさらにその性格を助長し、自分は特別に運が強い人間なんだと確信するに至ってしまった。客観的に見れば、ジムでたまたま友達と同点スコアになったというだけの話なのだが、本人がそう思い込んでしまったのだから仕方がない。
それからしばらくして、僕はまがりなりにもクロスフィットのコーチやら高校のクロスカントリー部の監督やらの仕事にありつくことが出来た。文字通りの貧乏暇なしではあるけれど、願った通り、今はなんとか好きなことだけをやってメシを食っている。
先のことは全くわからない。不安がないわけでもない。だけど何とかなるだろうと思えるのは、あの日のドラマが僕の背中を後押ししてくれているからだ。