2019年のクロスフィット・ゲームズについてのドキュメンタリー映画です。
コロナで家から出れない人、ボックスに行けない人のために、って早めに公開してくれたそうです。
ろくでもないニュースばかりですが、良いことだってないわけじゃないってことですね。
https://itunes.apple.com/us/movie/the-fittest/id1498865107
早速、公開初日にありがたく観させてもらいました。
その感想をここに書こうと思います。
最初にお断りしておきますが、これはあくまで僕の個人的な感想です。
僕がこの映画を褒めようとけなそうと、作品としての価値は何ら変わることはありません。
クロスフィットそのものについても同じです。
お前はクロスフィットやってるくせに悪口を言うのかってお叱りは今までにも何回かもらっているのですが、そういうのはやめてください。
巨人ファンが飲み屋で「なんだよ 原の馬鹿野郎が。あそこでピッチャー代えるやつがいるか。監督替えろ替えろ」って喚いていたって、それに本気で腹を立てるのは大人げないと思いませんか?
さて、こんな風に始めるってことは、さぞかし悪口を書くのだろうなと思うかもしれませんが、けっしてそうではありません。2時間近い映画を最初から最後まで、結構楽しむことができました。
ただ、この映画は今までのクロスフィットの映画や動画とは少し違います。
いきなり冒頭からクロスフィットやゲームズ本部への不平不満から始まるのです。
昨年からの一連の動き - メディアスタッフの大量解雇、リージョナルの廃止、公認イベント(Sanctions)- について、多くのスタッフやアスリートがコメントしています。
いきなりで驚いた、説明がまったくない、これでは何も目指したらよいのかわからない、そういったネガティブな反応が次々と紹介されます。
ゲームズ本選に入っても、こんどは最初のイベントで競技者を半分に絞ること、その後のイベントでどんどん人数を減らすやり方についても、たくさんのアスリートたちが不満を訴えています。
イベント1には185パウンド(84キロ)のスナッチが出てきます。1回も挙がらない選手もいます。僕だってできません。
ナショナル・チャンピオンになって、遠くの国からはるばるやってきた選手がイベントを1つやっただけで切られるのは気の毒だって意味のコメントが続出します。
最近よく日本で使われる「アスリート・ファースト」じゃないってことですね。
こうした大会の新形式については、選手たちの不満を紹介するだけではなく、運営側がなぜそうしたのかの説明を、たとえばグラスマンのおっさんにインタビューしてほしかったなとは思います。
トップ選手達だけではなく、「1回のイベントだけで切られてしまったナショナル・チャンピオン」にも、もっと詳しくインタビューするべきじゃないかなとも思いました。
話を聞く人たちの立場が限定されていて、多方面からの視点に欠けていた。
その意味では、この作品はドキュメンタリー映画としての出来は今一つなのではないかと思います。
映画は後半に入ると悪口は影を潜めて、マット・フレイザーらトップ選手たちの戦いに焦点が移ります。ここからは競技のスリリングさ、アスリートたちの凄さが前面に出てきます。そのようなわけで、僕はこの映画を最後まで楽しめました。けっして時間の無駄だったとか、レンタル料5ドルは高いぞ、なんてことは思いません。もう一度見たいかと尋ねられたら、いやもう1回だけで十分ですって答えるとは思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿