2014/02/21

誰がクロスフィットを殺すのか

私が通うボックスのオーナーが刺激的なタイトルの記事をブログにポストしました。
かなりの反響です。

http://nextlevelcf.com/2014/02/19/2-trends-that-will-kill-crossfit/

誰が(何が)クロスフィットを殺すのか

彼は1)クロスフィットの日用品化 と 2)レベルの低いコーチ を元凶にあげています。

ご存知の方は多いですが、クロスフィットは費用が高いです。
私が知っているところは1ヶ月約200ドル。どこもそんなものでしょう。
日本ならもっと高いのでしょうか。

ある程度のスペースと設備が必要で、しかもクラスの質を保つには少人数でなければいけない。
毎日違うメニューを作成し、それを指導しなくてはいけない。
大手フィットネスジムよりおカネがかかるのは理解できます。

ところが、アメリカではクロスフィットがブームになり、ボックスの数が飛躍的に増えてきました。
人口20万ほどの私の市に多分10以上のボックスがあります。
どれも同じクロスフィットなら、なるべく安いところを探す人が出てくるのは自然です。
価格競争になってしまえば、悪貨は良貨を駆逐するとなってしまうのでしょうか。

クロスフィットのトレーナー資格(L1)を取った方には大変失礼になってしまいますが、やはりこの資格はあまりにも安易に取れすぎることが問題なのではないでしょうか。
内容についてはともかく、現実には週末2日間のセミナーに出席し、合格率が非常に高いテストを受けるだけ。トレーナー資格があればすぐにボックスを開けるわけではありませんが、ハードルはさほど高いとは言えません。
幸い、私が見てきたボックスのオーナーやコーチは皆かなりのレベルにある人達でした。
ですが、一方では経験も知識も素人レベルのコーチが存在することもまた事実です。
問題はそのようなコーチでも上のように高いおカネをとることが可能だってことでしょうね。

この記事は前述したようにアメリカでクロスフィットがブームともいえる急成長を遂げたことが背景にあります。
日本ではまだ全国でボックスの数が10にも満たないですし、一般的な知名度もゼロに等しいでしょう。
そうしますと、より多くの人にクロスフィットを知ってもらうためには、どんどんボックスがオープンされることが望ましいのかもしれません。
クロスフィットをやりたくても、やる場所がなければ出来ませんから。

量より質を取るか、質を妥協しても量をとるか。
難しいところですね。


2014/01/15

実体験WOD#15 Prowler Push

Prowler Push  (Sled Push とも呼びます)、30メートルを3回。

これほどテクニックも何もなく、ただひたすらパワーと根性だけが求められるWODも珍しいです。

アメリカンフットボールのシーズンも佳境に入り、スーパーボウルももうすぐだから、だそうです。
ただひたすら押して押して押しまくる。
プレートは全部で80キロ、本体と合わしたら120キロぐらいかな。

https://www.facebook.com/photo.php?v=271146999709552&set=vb.100004427615794&type=2&theater

上のリンク、facebookのものですが、公開範囲がパブリックだから誰でも見えるはず。

2013/12/24

クロスフィットと格闘技

Crossfit Endurance でご紹介したように、クロスフィットのボックスには他競技のパフォーマンスを上げるためにクロスフィットをやる、という人が一定数います。その中でも格闘技選手は目立ちます。今流行の総合格闘技選手、キックボクサー、他にも空手や柔術などの選手で専門の道場以外のトレーニングの場としてクロスフィットに通う人達です。かく言う私も実はクロスフィットを始めたきっかけは空手の補強トレーニングにするつもりでした。
言うまでもないことですが、ある競技で強くなるにはその競技の練習をするのが一番です。それを大前提としたうえで、クロスフィットは格闘技選手の補強にはもってこいのトレーニング法だと私は思います。

スタミナ
スタミナと聞くと多くの人はマラソンなど長時間の有酸素運動を思い浮かべますが、格闘技の試合に必要なスタミナとは何時間もゆっくり動くものではなく、比較的短時間のインターバルを繰り返すためのものです。例えばボクシングは3分ラウンド、1分休みの繰り返しですね。空手の試合に出るなら、マラソンではなく、中距離のインターバル走がいい、とは昔からよく言われていて、私もよく800m走を5本とかやったものです。しかし、格闘技の試合は中距離走でもありません。一定のペースで走るわけでも、一方向に進むだけでもありません。一ラウンドの中でも、激しく動いたり、少し休んだり、急に動いたりします。 そのような種類のスタミナを養うには、クロスフィットのWODのように異なった種目を組み合わせて、しかも数分単位で全力をつぎ込むやり方は最適だと言えます。

パワー
格闘技とウェイトトレーニングは昔から切り離せません。重い重量を挙げて筋肉量を増やし、「体を大きくする」のは当たり前にように行われてきました。勿論、パワーアップは重要です。私がやっていたフルコン空手では、筋肉の鎧をつけて打たれ強くなる、ということも大切でした。
ですが、格闘技の試合ではゆっくり重いものを持ち上げても仕方ありません。また、ある筋肉だけに「効かせる」ための単関節の運動は、本来の格闘技の動きとは異なるものです。手打ちのパンチはダメだ、とよく言うのに、ベンチプレスで寝たままバーベルを上下させる運動ばっかりやってる選手がいるのは不思議です。
パンチでもキックでもあるいは投げ技でも、格闘技の技で必要とされるパワーは瞬間的に全身の力を1点に集中させるような体の動きから生み出されます。クロスフィットで重視されるオリンピックリフティングは、まさにそのような動きを体に覚え込ませるのに向いています。

スピード
スピードと言って多くの人が思い浮かべるのは100メートル走などの短距離走でしょう。トレーニングに短距離ダッシュを取り入れる格闘技選手は多いです。しかしながら、ここでも格闘技の試合で必要とされるスピードはそれとは違う種類のものです。瞬時に体の方向を変える、あるいはパワーを込めた打撃を出す、そんなスピードを養うには、短距離ダッシュよりもオリンピックリフティング、あるいはバーピーではないでしょうか。

バランス・身体コントロール
一般の人には意外かもしれませんが、格闘技にはバランス感覚がきわめて重要な要素になります。選手なら誰でも身に沁みているのではないでしょうか。組技系はまさに相手のバランスを崩す競技ですし、打撃系でもバランスの良い選手は技のキレが違います。そのために、バランスボールに乗ったりする選手は多いです。それも有効なトレーニング方法ではあります。クロスフィットで行う逆立ち歩行やキッピング懸垂、あるいはマッスルアップなどの体操系トレーニングは、そうした能力を高めることに大きな効果があります。元々、極真空手では昇段審査に逆立ち歩行があったと聞いたことがあります。

体幹トレーニング
格闘技に限らず、体幹は重要だ、というのが流行りのようになっていて、色々な体幹トレーニングがもてはやされています。しかし、体幹の強い選手が必ずしもそうした体幹トレーニングをやっているわけではなさそうです。強い選手は始めから体幹が強いか、あるいは体幹が強くなるような動きをしている、と考えたほうが良さそうです。クロスフィットでは、バーベルを持ち上げる、縄跳びをする、鉄棒で懸垂する、などといった一見は体幹とは関係なさそうな動きでも、意識すべきなのは体幹だと繰り返し教えられます。そうして知らず知らずのうちに体幹が強くなります。

格闘技選手よクロスフィットに来たれ!

2013/11/08

クロスフィット専用シューズ

クロスフィットって月謝は高いけど、道具におカネがかかりません。
テニスやら野球をやったら、ラケットやグローブなどを揃えなくてはいけませんし、
空手や柔道をやろうと思ったら、胴衣やプロテクター等が必要です。

その点、私はクロスフィットを始めて2年になりますが、
クロスフィットをやるために買ったものが一つもありません。

いつものTシャツ、短パンに普段履いているジョギングシューズを持っていくだけ。
かって自己流でウェイトトレーニングをしていたときは、ベンチプレスのときに手袋、スクワットのときに腰ベルトをしていましたが、クロスフィットのボックスでは誰もそんなのしていません。
自然、私も素手でバーベルを握り、ベルトもしなくなりました。

ボックスに所属している限り、クロスフィットってそれぐらい自分の体以外に何もいらないスポーツです。
人によっては、自分用の縄跳びを持ってくる人がいるぐらいでしょうか。
私はとくに拘りがないのでボックスの備え付けのものを使っています。

ただ、足元だけは例外です。
オリンピック・リフティングをするときはそれ専用の靴が勧められます。
すねまでカバーする長い靴下を履いている人も多いです。

私はそこまですることないだろうと思って、ずっとジョギングシューズでやってきましたが、
そろそろ買ってみるかと思い立ち、ついにクロスフィット専用と謳うシューズをリーボックから購入しました。と言うより、私が知る限りはクロスフィット用の靴などと言うものはリーボック以外ありません。

Reebok Crossfit Nano 3.0

http://shop.reebok.com/us/product/men-reebok-crossfit-nano-3.0-shoes/ER680?cid=V53238&breadcrumb=1z13070Z1z11zrf&search=nano+3.0&cm_vc=STATIC_SHOP_SEARCH

リフトのときなど踵に体重が乗ってなかなか良い感じです。 でもその代わりイマイチ走りにくい気がします。走るときはフォアフットって意識しているせいかもしれません。 ボタン一つで重心が前後に移動する、なんて機能つきシューズを開発してくれないものでしょうか。



2013/08/14

RX or Scaled

クロスフィッターならタイトルを見て、このタイトルの意味するところを瞬時に理解して頂けると思います。あるいは、「わかった、わかった。その話はもう聞き飽きたよ」と読むのを止めてしまうかもしれません。
それぐらい、このRX or Scaled と言うのはクロスフィッターにとって永遠の話題と呼んでも過言ではないのです。

RX とは規定の動作や重さや回数のことです。(以前に詳しく書いた記事
Scaled はその人それぞれの体格や体力、あるいは習熟度によって、別の動作にしたり、重量を軽くしたり、回数を減らしたりすることです。

今日、私がボックスでやったワークアウトが格好の例なのですが、
本日のお題はベンチマークの"Elizabeth" でした。

クリーンとリングディップを交互に21-15-9、そのタイムを競うものです。
クリーンの重量は男性61kg、女性43kgで、これがRXです。

さて、私の場合、61kgと言うのは挙がらない重さではありませんが、21回続けてやれと言われるとかなり困難です。そこでコーチの勧めに従い、女性用の43kgでやることにしました。つまりScalingです。
リングディップは私は問題ありません。出来ない人(けっこういます)は補助バンドをつけたり、代わりに腕立て伏せをしたりします。

こうして、皆それぞれが各自の設定をして、よ~いどんで始めてタイムを競います。

私はこの重さなら最後までイーブンペースで続けることが出来ました。
結果、その日のボックスで一番のタイムでした。

ですが、果たして、それでよかったのか?
RXに挑戦した人がフラフラになって、それでも最後まで頑張って、終わった後に床に倒れこんでゼイゼイ言っているのを見て、そう強く感じました。

一方の私は、疲れたと言えば疲れましたが、なんとか自分の足で歩く余裕があります。
それじゃあ、今日のワークアウトでより大きな効果を得られたのはどちらなんだろう?

重すぎて挙がらないのなら仕方ありませんが、フォームが崩れるとか続けて出来ないとかの理由で、安易にScalingするのは、何処かで自分を甘やかしているのではないかという気持ちがどうしても拭えませんでした。

そんなわけで、クラスが終わった後、もう一回ひとりで、今度はRXでやってみました。
タイムは倍近くかかりましたが、気分は爽快、体はボロボロ。周りは呆れて見ていました。

競技選手ではない私にとって、トレーニングの目的は自己満足なので、これで良いのです。
そう開き直ることにします。
もちろん、目的は人それぞれですし、ケガをする可能性もありますし、フィットネス効果が上がるかどうかもわかりませんので、やみくもにRXでやるべきだとは言いません。



2013/05/07

Crossfit Endurance - クロスフィットでマラソンを走る?


クロスフィットをやる理由は人によって様々です。
ダイエットのためという人もいますし、クロスフィットの競技そのものに挑みたいという人もいます。
その他、格闘技選手やフットボール選手など、クロスフィットのトレーニングを通じて、専門とするスポーツのパフォーマンスを上げることを目的とする人もかなりの数だけいます。
そのような人たちのニーズに応えるため、Crossfit Striking, Crossfit Footballなどの名前を冠した派生プログラムがあります。

このCrossfit Endurance http://www.crossfitendurance.com もその一つと言えるでしょう。
マラソンやトライアスロンなどの持久力系スポーツにクロスフィットのトレーニングを取り入れようとする考えです。

マラソンなどの長距離レースでは、以前はLSD - Long Slow Distanceを呼ばれる長い時間をかけてゆっくり走るトレーニングが主流でした。長い距離のレースを走るんだったら、練習も長い距離を走るんだって、至極当たり前というか疑問の余地すらなかったと思います。市民ランナーでもフルマラソンを走るなら月間トータルで200キロとか300キロとか走らないとダメなんてよく聞いたものです。高橋尚子選手が月1000キロ以上走った、なんて話まで聞いたことがあります。毎日30キロ走っても追いつかないのだから、凄まじいとしか言いようがありません。

Crossfit Enduranceではそれに対して、走るのは週2、3回にとどめて、残りの日をクロスフィットのトレーニングをすることを奨めています。走る日も長距離だけでなく、短・中距離のインターバル走を多くします。持久力を高めるためであっても、高い負荷をかけたインターバル系の運動がよりパフォーマンスを上げる効果がある、という考えです。

私自身はクロスフィットを始める前にも自己流でフルマラソンを走っていました。トレーニングはジョギングをやるだけで、レース前はその頻度や距離を普段より増やすぐらいが対策でした。フルマラソンのベストが4時間をようやく切る程度でしたから、それほど大して速くも遅くもない、ごくごく普通の市民ランナーです。

クロスフィットを始めてから、折角だから、ぐらいの気持ちでCrossfit Enduranceのやり方に変えてみました。とは言っても、本格的にCrossfit Endurance専用のメニューをやったわけではなく、単に毎日走るのをやめて、クロスフィットのボックスに通っただけですが。
1日走ったら、次の日はクロスフィット。
たまに朝走って夕方クロスフィットって日もあるので、両方とも週3、4回程度です。

このやり方を始めて半年後ぐらいのフルマラソンで自己記録を20分ほど短縮する約3時間半で走れました。これには自分自身もかなり驚き、それ以来このやり方を続けています。
毎日のように違うことをするので飽きがこないし、何より故障を全くしなくなりました。ひたすら走る練習だと、どうしても同じ箇所ばかりに負担がかかるのだと思います。一方でクロスフィットのトレーニングは全身を満遍なく鍛えられますし、知らず知らずに筋肉のバランスもよくなるのだと思います。そのせいでしょうか、以前はレースの後でひどい筋肉痛になったものですが、今ではフルマラソンを完走した翌日も殆ど普段と変わらなく活動できます。

このようにCrossfit Enduranceの考えは少なくとも私には有効でした。格別にタイムがよくなったわけではありませんが、走る距離は以前の半分、トータルでトレーニングに使う時間も半分ぐらいです。ランナーの皆さんにも是非お奨めしたいと思います。

2013/04/04

実体験WOD #14: FT 50 Front Squat + EMOM 3 DL & 3 PowerClean

まるで暗号のようなタイトルですが、これでピン!ときた方にはクロスフィットおたく検定1級を差し上げます。これ以上読む必要はございません。

なんのこっちゃいと言う普通の方は続きを読んでください。

For Time: 
Weight taken from ground
50 front squats @ 135/95
Top of every minute, 3 deadlifts, 3 powercleans


ある日のWODにこう書いてありました。
皆目わかりません。
コーチの説明を2、3回聞き直して、やっと理解しました。

要するにフロントスクワットを50回、出来るだけ速く(FT: For Time)やるわけです。
だけど、1分ごとに(EMOM: Every Minute On Minute)、 デッドリフトとパワークリーンを3回づつ挟まなくてはいけません。
バーベルの重量は男性約60キロ、女性約43キロです。

ヨーイドンでスタート。
床においたバーベルでデッドリフトを3回、パワークリーンを3回。
胸の前に担いだバーベルをそのままでフロントスクワットに移ります。
開始から1分たったところで、またデッドリフトを3回、パワークリーンを3回。
それが終わったらまたフロントスクワットに戻って、2分経過したらまたデッドリフトとパワークリーンが待っています。
これをフロントスクワットの合計回数が50回になるまで繰り返して、その合計タイムを競う、というものです。

やってみればわかりますが、これはキツイです。
久しぶりにトレーニング中に吐き気がしました。終わった後は酸欠で頭が痛くなりました。

これは弱ければ弱いほど、回数を多くこなさなくてはいけません。
終了する(解放される)時間も長くなります。
まるでイジメとか可愛がりのようです。

私は3分58秒で全レップ終了でしたが、あと2~3秒遅かったら、さらにデッドリフトとパワークリーンを3回づつやらなくてはいけないところでした。

私のコーチのオリジナルなのか、他のボックスでもやっていることなのかはわかりませんが、
まあよくもこんなキツイこと考えつくもんです。
是非、お試しあれ。