友人がどぎついタイトルのテレビ番組を紹介してくれました。
「筋肉が溶けだす! 恐怖のフィットネス」に続いて「クロスフィット」の文字が画面に見えます。
おいおい、とは思いますが、要するに横紋筋融解症(Rhabdomyolysis)のことを言っているようです。
横紋筋融解症は筋肉細胞が破壊され、血中に流れ出すことで引き起こされます。そして、その物質が腎臓を始めさまざまな臓器に影響を与えて腎不全の原因となり、最悪の場合は死に至ることもある病気です。
横紋筋融解症については以前こんな記事を書いたことがあります。
ハードな筋トレのやり過ぎで起こる病気「横紋筋融解症」とは。原因・症状・予防をトレーナーが解説
クロスフィットをやると横紋筋融解症の症状が現れることが稀にあります。
そのこと自体はクロスフィットも認めていて、L1トレーナー用の教科書にも出てくるのですが、それにしても「恐怖のフィットネス」はないだろう。
クロスフィットと横紋筋融解症の関連について、米国のノースウェスタン大学病院の研究者らが論文を発表しています。
CrossFit and rhabdomyolysis: A case series of 11 patients presenting at a single academic institution.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30846355/
2010年から2016年までの間にこの大学病院を訪れた患者のうち、「クロスフィット」が原因で怪我をしたと申告した人は523人いたそうです。
1年平均で100人近いってことになりますので、けっこうな数です。
その523人のうち、横紋筋融解症と診断されたのは11人。
この11人の平均年齢は34.9歳、81.9%が男性、平均BMIは24.2、54.5%がビギナーレベルだったそうです。
もっともよく見られた症状は「尿の色が赤黒くなる」(90.9%)、「上半身の痛み」(54.5%)と続き、平均して2.9日間症状が続き、最初は緊急治療室に運ばれることが多いそうです(81.8%)。
僕自身の経験はと言いますと、尿がコーラ色になったことはあります。
そのときは酸素不足にも陥ったのか、2,3日は頭痛までしました。
病院には行かなかったので、はたして横紋筋融解症だったのかは分かりません。
でも、流石にビビって、しばらくはハードなトレーニングは控えました。
幸い、大事には至りませんでしたが、それ以来、「クロスフィットを頑張りすぎると、ヤバイことが起きることもあるよ」とは自分に言い聞かせていますし、リミッターを外しそうな人にはそう警告しています。
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