胸を鉄棒にぶつける懸垂をC2B (Chest to Bar)と呼びます。
もちろん、顎を鉄棒の上に持ち上げる普通の懸垂よりは難易度は高くなりますが、体操種目としてはさほど上級者向けというほどでもありません。1回やるだけなら、特に習わなくてもできる人は多いでしょう。
ただ、このC2Bを複数回、それもなるべく速く行うためにはバタフライ(蝶のように舞う!)というテクニックを行うのが一番なのですが、できる人は意外に少ないようです。
そんなことして何になるの?って疑問を持つ人も多いでしょうが、クロスフィットの競技ではよく出てくる種目なので、これができるとできないとでは順位が大きく変わることになります。
今年のオープン22.3でも出てきたので、これができたら良かったのになあと悔しがっている人は多いのではないでしょうか。
何を隠そう、私もその1人です。
18回のC2Bを連続して終わらせることができず、何回も鉄棒から降りてしまったり、1回ごとによっこらせと体を揺すって(キッピング)してしまい、時計だけがコチコチと進んでしまった悔しさを、私を含めて世界で10万人くらいの人が(多分)味わいました。
オープンが終わった後、来年こそはバタフライC2Bをマスターしてやろう、と練習してみたのですが、どうしても上手く行きません。
思いあまって、コーチの1人に質問してみたところ、目から鱗が落ちるようなアドバイスが返ってきました。
私: C2Bのバタフライって、普通の懸垂とタイミングが違うよね?
コーチ: 違うよ。
私:どう違うの?(あまり期待せずに)
コーチ: 上るときはゆっくりとして、下るときは速くする。一旦、鉄棒を通り過ぎて、下りるときに胸を当てる。下から鉄棒にぶつかるのではなく、上から掠るようなイメージ。
つまり、こういうことです。
鉄棒が最高地点ではなく、それより少しだけ高く上がって、下りるときに鉄棒を通過するのです。そして落下するスピードを速めて、その反動を活かして、次の回に繋げます。
このアドバイス通りにやってみたら、10回でも20回でも連続してできるようになりました。
あまりにも簡単で、呆気にとられてしまったくらいです。
あ~あ、オープン22.3やる前に聞いとけばよかったなあ、というのは後の祭りなのですが、来年まで覚えておくことにします。