その後すぐにクロスフィットの創始者でありCEOでもあったグレッグ・グラスマンが退任し、クロスフィット・ゲームズの大会ディレクターだったでデイブ・カストロが新CEOに就任することが発表されました。
そもそもの原因になったグラスマンの失言ツイートのことは前回の記事でお伝えしました。
この記事の最後に、私は「グラスマンが引責辞任でもしない限りは、事態は収まらないのではないでしょうか」と書きました。
しかし、そのトップ交代が行われた後も、クロスフィットから離脱を宣言する選手やボックスが後を絶ちません。
米ヤフーのニュース記事によれば、すでに1,000を越えるボックスがクロスフィットとの契約を打ち切ったそうです。その大半が米国内のボックスで、今年初めの米国内のボックス数が6,915だったことを考えると恐るべき数字です。
非公認ながら、クロスフィット専門サイト『Morning Chalk Up』がそのようなボックスのリストを公開しています。現在のところ、日本国内50のボックスからは離脱するボックスは出ていない模様ですが、このサイトが把握していないだけかもしれません。
カストロは来年度からクロスフィット・ゲームズのディレクターを4回王者のリッチ・フローニングに任せると発表するなど、懸命に失地回復を図っているようなのですが、今のところその効果はあまり大きくないようです。
クロスフィットから離れることを宣言した人物の中には、Jason KhalipaやKatrin Davidsdottirのように、かつてクロスフィット・ゲームズを制した元チャンピオンたちも含まれます。
彼らの怒りは発端になったツイートだけではなく、その後リークされたグラスマンのビデオ会議中の発言によるものです。そこではグラスマンがはっきりと人種差別抗議運動に反対の姿勢を取っていることが明らかになりました。
「私はジョージ・フロイドを悼むつもりはない」
「暴動をサポートするために1銭も寄付するつもりはない」
CNNの記事(録音されたグラスマンの会議中の発言つき):
これらの発言は社会正義を追求する多くの人の価値観に反するものです。クロスフィットから離れた人たちはそのことを問題にしています。
グラスマンはCEOから退任したとはいえ、未だにクロスフィットの100%株主であることには変わりはありません。今後その影響力を行使しない保証もありません。
たった1人の人間の政治的信条によって、クロスフィットが崩壊してしまうのは大変に悲しいことなのですが(ブランドの崩壊と呼んだ方がよいかもしれません)、組織のオーナーは単なる1個人とは呼べません。
組織としてのクロスフィットにさらなる自浄努力に期待したいと思います。
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